Vストローム650ABSに代わって我が家にやってきたのはこのバイクでした。Vストローム1050DE。リッターバイクに買い換えました。

 もう年齢が年齢で、あと3年で古希だというのにあえて、シート高880ミリと足付きが悪く、車重は252キロもあり、ホンダのDCTのような装備もありません。全くもって年齢不相応の不可解な選択に至ったのは、一昨年のVストミーティングに遡ります。

 コロナ禍でリアル開催は4年ぶりのVストミーティング、ここで初めてVスト1050DEを見ました。

 さすがVストシリーズの旗艦、とにかく凄い存在感でした。
 しかし、こんな巨大なバイクを日本では誰が乗るんだろう、ましてやフロント21インチのビッグオフ仕様ともなると、欧米人向きでしかないと思っていました。


 ところが、先月、店頭でこのカラーリングの1050DEに遭遇、2年前の印象はガラリと変わりました。とにかくカッコイーなあ!大きいけど何て美しいバイクなんだ!
 この瞬間まで、私は買い換え自体考えていなかったのですが。
 このVスト650に11年間5万5000km乗って来ました。とてもいいバイクです。ただクラッチ操作が年々苦手になってきて、何とか軽くしようといろいろ試したのですが、どうにもならず年に数回しか乗らなくなっていました。それでも思い出深い愛車、このまま乗り続けるつもりで、3月末の車検を受ける予定でいました。

 しかし、一方ではVツインのVストロームは早晩国内販売終了が予想され、今や貴重な新車で買える唯一の国産Vツインエンジン車です。650は元々TL1000のVツインエンジンのボアダウン版、Vスト1050はその直系の後継エンジンです。一度はスズキVツインの原点を経験してみたい気持ちもありました。

 そこで目の前に現れたVストローム1050DE、その美しく巨大なフラッグシップにせめて3年でいいから乗ってみようかな。こんな心境から買い換えを真剣に考えるようになった次第です。


 長く乗ったバイクに別れを告げるのは辛いものですが、この買い換えは同一車種でのグレードアップですし、11年前と同じ販売店で、ずっとお世話になってきたスタッフさんたちのサポートもあって、気持ち良く納車日を迎えられました。
 我が家にやってきたビッグオフ、凄すぎる貫禄!まるでバイク自体が「オイ、じいさん、その歳で本当にオレに乗るのかい?」とほくそ笑んでいるかのようなデカさ。
 Vスト1050には、DEよりシート高が30ミリ低く車重も10キロ軽いスタンダードがあるのに、わざわざこのDEを購入した動機の一つがこれです。スズキは頑丈な純正ガードをDEにのみ標準装備しています。転倒しても車体とライダーが守られます。この手堅い安全対策がスズキのメーカーとしての良心を象徴しています。
どちらに転んでも大丈夫。
 アンダーガードも頑丈そのもの。1050DEは大きく重いけど、安全対策がとられた上での車重です。スタンダードにこの装備をオプションするだけで、重量は10kg近く増えてしまい、車重は結局DEと変わらないのです。しかもDEのシート高はローシートで30ミリ下げられます。
 
 650のクラッチは硬く、渋滞路では苦痛でしたが、このシリーズ最大の1050は油圧クラッチとアシスト&スリッパークラッチ機構、さらにローRPMアシストや上下クイックシフターで650よりもクラッチ操作は大幅に軽減されています。
 Vストラインナップ中で最もクラッチが軽いのは1050であり、250よりも軽いのは何とも皮肉です。ただ、あと3年もすればホンダの革命的技術[Eクラッチ]に触発されて、スズキも同様の装備を搭載するでしょうから、その時にはこの巨大なバイクからダウンサイジングするつもりです。

 私がこれほど渋滞対策にこだわるのは、実は福岡に可愛い孫「Tちゃん」がおりまして。


 高速道路の渋滞に耐えられるバイクでないと愛知福岡間を安全にツーリングできないからです。650は残念ながら設計自体が古く、クラッチ操作を軽減するコンセプトが欠けています。もし大渋滞で有名な宝塚・吹田間の渋滞に巻き込まれたら万事休す、左手が痺れてふらついてくれば命に関わります。私はかつて何度もその恐さを経験していますから、その後九州方面へのツーリングは控えていました。従ってツーリングを兼ねて福岡まで可愛い孫に会いにいくためには、高速道路での渋滞時安全対策がとうしても必要でした。



 本日、近場ですが初走行。リッターバイクならではの怒涛の加速感を体感。低い回転数でどっしりとした走り、Vツインらしい振動と排気音の心地良さ!取り回しの不便さはあっても、溢れるパワーを隠し、ゆったりした気持ちで巷間を流すのが、リッターバイクの魅力かと早くも感じました。
 トップケースなど旅支度を整え、来月慣らし運転が終わる頃には、Tちゃんの福岡へ行きたいと思います。

 この巨大なバイクはあくまでもメインバイクで、ロングツーリング専用です。普段はこのセカンドが大活躍。このバイクこそ免許返納まで乗り続けたいバイクです。

 Trojan(DR200SE)のジェベル仕様で、購入からもう8年目になります。タフでオールマイティなとても頼もしいバイクです。

 一昨年衝動買いでST250Eをサードにしておりましたが、今回のビッグな買い換えに伴い、維持費節減のためサードは原付2種に換えました。

 XSR125、ヤマハの水冷125は私はかつてのDT以来です。125ながらネオレトロの外観、しかし中身は最新の性能が盛り込まれて原付離れした走りです。下道ツーリングなら、気軽に乗り回せるこのバイクがうってつけで、燃費も驚異的低燃費(50km/L超)、航続距離は500kmです。

 蛇足ながら、私は古い世代ですからロングツーリングには、足元を守るためにオフロードブーツを必ず履きます。Vスト650購入と同時にオフロードブーツを新調したのですが、これも11年たってボロボロになりました。

 そこで今回はこれも買い換え。


 大型バイクでロングツーリングなら、できる限りの安全対策が必要です。Vスト650保有期間、何度かタチゴケしましたが、このオフロードブーツのおかげで、その度にケガを免れています。古くなったブーツにも感謝して廃棄したいと思います。


 Vストローム650ABS、11年間本当にありがとう!北海道から沖縄までずっと一緒に旅をしました。さようならVスト650!
 これからはこのバイクのボス格Vスト1050DEで3年ほど、福岡へのロングツーリングを久々に再開し、孫のTちゃんの成長を見守ります。
 ようこそVスト1050DE!

 これからはVストボスでの新たなバイクライフを再び記事にしたいと思います。次回からの記事タイトル冒頭は「Vスト」から「VストT」になります、これからも宜しくお願いします!

 まだまだ楽隠居なんてしていられません、
     ちぇすとー!
     (鹿児島方言で、さあやるぞ!の意)

最後までお読みいただきありがとうございました!