現代のハタ・ヨーガ③
クリシュナマチャーリヤは1924年から死去する1989年までヨーガを指導した。アーサナを中心とした現代のヨーガは、直接または間接的にクリシュナマチャーリヤの影響を受けているものが多い。かれが1930年代から20年ほどの間にマイソールで教えていた激しい体操的なヨーガのスタイルからは、躍動的なヨーガで知られるアシュターンガ・ヴィニヤーサ・ヨーガが生まれ、1990年代以降の北米で盛んなパワー・ヨーガなどもその派生である。
欧米にヨーガを広めた著名な弟子には、上記のアシュターンガ・ヴィニヤーサ・ヨーガの創始者パッタビ・ジョイス(英語: K. Pattabhi Jois)、正姿勢と補助道具が特徴のB・K・S・アイヤンガール、インドラ・デーヴィー、クリシュナマチャーリヤの子でヴィニヨーガの創始者T・K・V・デーシカーチャールが挙げられる。T・K・V・デーシカーチャールは、クリシュナマチャーリヤから継承したヨーガを広めるため、チェンナイにクリシュナマチャーリヤ・ヨーガ・マンディラムを創立した。
リシケーシュのシヴァーナンダ(英語: Sivananda Saraswati)(1887年 - 1963年)と彼の多数の弟子たちも、影響力のある大きな流れを形成した。シヴァーナンダ・ヨーガ・ヴェーダーンタ・センターを創立したヴィシュヌデーヴァーナンダ、ビハール・ヨーガ学校)を創立したサティヤーナンダ、インテグラル・ヨーガの創始者サッチダーナンダなど著名な指導者を輩出した。
パラマハンサ・ヨーガーナンダの弟でボディビルダーのB・C・ゴーシュ (Bishnu Charan Ghosh) も、1930年代以降に体操やボディビルディングを融合させたヨーガを広めた人物である。かれは1923年にコルカタで身体教育学校を開き、ボディビルディングを指導した。世界的に商業展開しているビクラム・チョードリーのビクラム・ヨーガは、自身がゴーシュの学校で教わった運動競技的なアーサナから派生したものである。