この時期、非常に困るのが
テレビのカビ特集だ。
カビがどんなに恐ろしいかをトクトクと説明してくれる。
その度にアスピーのカッパさんは大騒ぎだ。
「フクちゃん!食パンは2日以内に食べなアカンど」
「タオルにカビ生えてへんやろな」
「うわ!!これカビちゃうか!!」
毎日、カビ祭りだ。
そんなカッパさんが風呂場に目をつけた。
さあて、浴室の掃除したのっていつだっけ?
私もそろそろ風呂掃除しなきゃな、
セスキか過炭酸塩、買わなきゃなー
などと思っていたところだ。
しかし昨日の午後、
私はお店で仕事しているのに、
カッパさんはいっこうに店舗に出てこない。
私が呼んでも返事しない。
しつこく呼びかけると
「今、風呂掃除してんねんっ!!」とキレて怒鳴り返した。
は?風呂掃除?今、仕事中なんすけど。
客も混みあってきて、私だけではどうにも手が回らない。
もう一度、カッパさんを呼びに行くと、
「すぐ降りる」とのこと。
客に「少しだけお待ちくださいね」と待ってもらった。
でもね、5分経っても降りてこない。
上が住居なのだが、
ガタンバタンと騒音がひどい。
カッパさん、何してんだ?
ようやく、ハアハア息をきらしてカッパさんが店に出た。
お店が一段落したので風呂場をのぞいてみると、
バスタブの側面がはがれたままだ。
どうやら、パネルを外したものの、もとに戻せなくなったようだ。
店の方が落ち着くと、またカッパさんは上に上がってしまった。
その後もしばらくドスンバタンと騒がしかった。
もうね、騒音の間、私はずっと客に苦笑いだよ。
もう本当に腹が立つ。
商売をなめとんか?
掃除はありがたいが、休みの日にやってくれ。
せめて私に相談してほしい
さて夕食に時間は
いかに完璧に風呂掃除をしたか、の武勇伝。
「父ちゃん、みんなのために頑張ったよ」
何が父ちゃんだ?
子どもいねーしっ!
私の腹は煮えくりかえりっぱなしだわ。
何で仕事中に風呂掃除する?
私がきつく問いただすと
「そこに風呂があるから」
と遠い目をしてつぶやく。
登山家ジョージ・マロリーの名言「そこに山があるから」
のパロディなのは知っている。
しかし、カッパごときがその名言をパロってはいけない。
身の程を思い知れ。
カッパの掃除は一極集中なので、
風呂場全体がきれいになった訳ではない。
結局、取りこぼした場所を私がせっせと掃除するのだ。
それでいて風呂場全部、僕がやったった!
みたいなツラをする。
ことあるごとに恩を着せてくる。
恩を着せることがカッパさんの専売特許だ。
もちろん、着せられた恩はすぐにゴミ箱に捨てるけどね。
またカッパさんそれを拾って着せる。
なんだ、このいたちごっこ?
ただ、私はこの終わらせ方を知っている。
私が、カッパさんにしてあげたことを恩に着せればいいだけなのだ。
奴は、その恩をすぐに足で踏みつけるけどね。
どうやら恩を着せられるのはイヤなようだ。
「恩は着せるもの」それがカッパさんのポリシーだ。