-Prolog-
ある日の昼下がり。
(あ、雨上がってる…)
午前中は土砂降りだった空がいつの間にか晴れていた。
澄んだ空に誘われるようにバルコニーて空を見上げると…
「見て見て、虹が出てる…!」
綺麗に空に架かった虹を見て、私は思わず部屋の中に声をかける。
すると…
クリス×エリオット
「…ああ」
「ほんとですね」
クリスさんとエリオットが同時に声を上げて、それから同時に睨み合う。
「おい、なんで被せるんだ」
「それはこっちの台詞だろ。お嬢様の相手は俺一人で充分だ」
「お前みたいなタラシにこんな能天気女の面倒が見きれるか」
「うわ、こんな可愛い子相手にそんなこと言うとか、最悪だなあんた」
言い合いながらバルコニーに出てくる二人に、私は思わず苦笑した。
(ああまた始まっちゃった…でも喧嘩するほど仲がいいって言うし…こうやって二人ともリングランドで暮らせるようになって本当によかった)
私は思わず頬を緩めてそんなことを考えながら、二人に並んでもう一度大きな虹を見上げた――。
アレク×ユアン
「おー」
「本当だ。綺麗だな」
アレクとユアンがそう言いながらバルコニーに出てくる。
「虹なんて久しぶりに見たよ!すっごく綺麗…」
思わず声を弾ませると、不意にユアンが私を見つめて微笑むと口を開いた。
「虹も綺麗だけど…貴女の方がもっと綺麗だ」
「…!ユ、ユアン…」
不意打ちの言葉にドキッとする。
すると、アレクが横から眉をしかめつつ口を挟んだ。
「ユアンお前相変わらずだな」
「単なる事実だ。アレクだってそう思ってるだろう?」
「…まーな。お前の笑顔は悪くねー」
「ちょっと二人とも…」
ユアンとアレクの言葉に頬を熱くしながらも、二人に挟まれていると不思議な心地良さを感じる。
虹色の光が降り注ぐ中、穏やかな午後がゆっくりと過ぎていった――。
--------end--------
-あとがき-
こんにちは、ちゃなです。
こちらはTwitterにて参加させて頂いた「夜曲三周年カウントダウン企画」で書かせて頂いたものです。
最終日の自由参加お題で「虹」でした。
恋愛要素ゼロですが…キャラ同士のわちゃわちゃも夜曲の魅力の一つだと思っているので!笑
素敵企画参加させて頂けて幸せでした。
そして、遅くなってしまいましたが、夜曲三周年おめでとうございました!
これからも応援してます、大好きです。
次はエリオット誕ですね(^O^)
ちゃな。