一日の仕事を終えて、オフィスを出る。

(誠二くんはまだ出張中だよね…最近忙しそうだし…)

何日も連絡が途絶えたままの携帯電話のディスプレイを見て、私を思わずため息をついた。

(でも誠二くんお仕事頑張ってるんだし…私も頑張ろう)

気を取り直して歩き出そうとした時…

「何シケた面してんだよ」

聞き慣れた声がして、驚いて顔を上げる。

すると、道の端に、バイクに跨った誠二くんがいた。

「誠二くん…!」

「おー。お疲れ」

「なんで…?今日はまだ出張中のはずじゃ…」

「予定よりスムーズに終わったんだよ。早くお前の顔見たくて急いで帰ってきた」

そう言って優しく笑う誠二くんに、思わず胸がとくんと音を立てる。

「何ぼけっとしてんだ。ほら、後ろ乗れ」

言いながら誠二くんが私にヘルメットを放り投げた。

「あ、うん…!ありがとう」

ヘルメットを受け取って、バイクの後部座席に乗る。

「悪いな、車じゃなくて」

「ううん。久しぶりに誠二くんのバイクに乗れて嬉しいよ」

「あっそ」

誠二くんが笑いながら私の腕をそっと掴んで自分の体の前に回す。

「落とされないようにちゃんと掴まっとけよ」

「…落とすつもりなんてないくせに」

言いながら誠二くんの体に回した腕に、ぎゅっと力を込める。

「っ、お前…後でめちゃくちゃにしてやるから覚えとけ」

「な、なんで、やだ…っ」

「うるせー。お前が可愛いのが悪い」

「なにそれ…っ、ん…」

言葉の途中で振り向いた誠二くんの唇が重なった。

軽く食んですぐ離れていく唇に、私は思わず顔を熱くする。

「誰かに見られちゃうよ…」

「わかってる、だから続きは後でさせろ。ほら、帰るぞ」

誠二くんが悪戯っぽく笑いながらバイクのエンジンをかける。

「…ばか」

(でも大好き…)

走り出したバイクの後ろで風に吹かれながら、私はそっと誠二くんの背中に頭を預けたーー。


--------end--------



-あとがき-
またしても誠二くん…笑笑
こないだTwitterに載っけたやつそのまんまです。自己満のお遊びごめんなさい。
誠二くんネタばっかり降ってくる…(^^;
そろそろ違う人書きます。多分。笑
バイクで迎えに来てくれるシチュにすごく憧れを感じる今日この頃…)Oo。.(´-`)

ちゃな。