6/4放送分の録画を観たので、ちょっと遅いですがレポと感想など。
映画『孤高のメス』の番宣で、いくつかトーク番組に出ていたんですね。前にNHKの朝の番組(イノッチが出てるやつ)に出ているのを観て「おおっ!」とびっくりしました。そこで早くに亡くなったお父さんのエピソードを聴いて、堤さんのルーツ触れた気がしたのですが、この番組でもお父さんのことを語っていて、興味深かったです。
この「A-Studio」という番組は、鶴瓶さんが実際に、ゲストの家族や関係の深い人にあらかじめ取材して、そのVを流すんじゃなく、取材した話を鶴瓶自身が、トークの合間にしゃべるというのが珍しい。プライベートに踏み込むのはやり方次第で観るのが苦しくなりがちなのに、後味良く終わるのところが鶴瓶さんの人柄とセンスを感じさせます。
【IMALUちゃんスカート事件】
鶴「覚えとんのや。」
堤「覚えてますよ。だってしのぶさんに怒られたもん。」
いまる「小さい頃、お母さんのつながりで、よくうちに堤さんが遊びに来ていて、渡辺いっけいさんがいきなりスカートをパッとめくって。」
堤「それ違う!堀ごたつんとこにいまるちゃんがもぐったときに、あ、パンツ丸見えってやったのよ。」
いまる「だけどいっけいさんにもめくられたんですよ。」
鶴「もうごちゃごちゃになってるよ、それ。」
いまる「それで傷ついちゃって、一切スカートはけなくなっちゃったの。」
鶴「(笑)まさかこんな、テレビ番組で!」
堤「ごめん。ほんと謝るから、スカート買うわ。」
堤「今はもう、大丈夫でしょ?」
いまる「今は全然。仕事とかでもはきますから。」
堤「だってまだ、赤ちゃんみたいなものだったんですよ。」
鶴「嫁もろたってくれや。」
堤「なんでよ(笑)。」
鶴「さんまがついてくるわ。」
堤「(首を振って)いや、いや、いや(笑)。」
堤「その話、誰に聞いたん?しのぶさん?いっけい?」
鶴「違う違う。とみこや。」
堤「(うわ~という顔で)…おかん?」
【家族のエピソード】
鶴「おかんめっちゃおもろいよ!」
写真。人のよさそうなふっくらした人。薄紫に髪を染め、同じ色の服。眼鏡をかけてニコニコ。
堤「ちょっと待って。これ、家?勘弁してーや。」
鶴「もう80ですよ。西宮では堤真一より有名。自治会長で、子どものためにいろいろしてるんです。すごい人望やで。いろんな人が、何故このお母さんがいいのかを、俺にこんこんとしゃべるのよ。」
若い頃の写真。38才。
鶴「メッチャメチャきれいですよ、昔。きれいやろ?俺、こんな感じの顔の女の人、好きやで。」
堤「(笑)そんな風に親の顔、見られへんわ!」
取材に行った時、スタッフの分までお料理を作ってもてなしてくれたそうです。昔から、お母さんは堤さんの仕事場に、大量の料理を差し入れて喜ばれていたとか。50人前とか、信じられない~。
昔、甲子園のウグイス嬢をしていた堤さんのお姉さんと、鶴瓶さんはNHKで一度共演したことがあるそうです。お姉さんはその後、イギリス人と結婚して、シアトルに住んでいるそうです。姪っ子に、髪を色とりどりのピンを留められて、遊ばれている堤さんの写真。かわいい。
【不登校の頃】
少年時代から野球が好きだったが、高1の頃、学校になじめず退部。野球が出来なくて学校に行く意味を失ってしまい、不登校に。
鶴「登校拒否っていうイメージないもん。」
いまる「クラスの人気者っていう。」
堤「高校でしゃべったヤツって、ほとんどいない。(高校時代の写真が出る)あ、なんかほら、拗ねてるでしょ?」
鶴「いろんな噂出るやん。学校行けへんのやから。(一部の保護者から嘘の噂を立てられ、お母さんは苦しんだそうです)この子がどんな噂をたてられても、私の子やからとにかく私が面倒みようと思ったと。それで、お父さんはあんまり、言わへん人やったんやね。」
【お父さんの話(20才の時に死別)】
堤「ものすごい無口でしたね。」
鶴「学校辞めたいと言ったときには?」
堤「なんでやめたいんだ?いや、俺はあんたみたいなサラリーマンで、生きたくないんじゃ!っ言って。そしたらこの人が、サラリーマンの苦労がわからん奴は、何やっても一緒や、って。…俺それから、負けた!と思って。あ、そうだと思って。それからいろいろあって、高校3年はちゃんと学校行きました。」
堤「ほんとに無口で、声聞くことがほとんどないんですよ。暮らしてて。」
鶴「おかんはようしゃべる。」
堤「おかんはようしゃべるんですよ。よく夫婦になりはったなと思って。」
【親友・桑木氏】
鶴「でも、桑木はしゃべってるでしょ。」
堤「桑木はね。あいつは親友だから。」
鶴「桑木がおるっていうのは、すごく大きいよね。」
いまる「高校の同級生。」
鶴「桑木はちゃーんと結婚してやで、会社やってんねんな。」
堤「そうなんですよ。えらいわ~、こいつは。」
鶴「すごい、堤のこと思ってんのよ。おばちゃんのことも。」
堤「震災のときも、ぼくがこっちいたんで、その頃みんな携帯持ってなかったのが仕事で持ってたんで、おふくろと連絡とってうちの留守電に入ってて。「おばちゃん、大丈夫やからな!」って。」
鶴「帰り際に、桑木がおって堤よかったな~言うて帰ってきた。」
【高校教室焚火事件】
堤さんの同級生・桂わかばさん(落語家)が好きになった相手が、山崎邦正のお姉さん。告白したら見事に振られ、放課後の教室で堤さんと桑木さんは桂さんをなぐさめていたそうです。寒かったので教室で、校門の前で配っていたチラシを燃やして暖まりながら。
鶴「何の気もなくみんなであたって。青春やんか。」
いまる「で、消さなかったんですよね、火を。」
堤「消したよ。こうやって踏んで。」
鶴「水かけるやろ、言うねん。机も片付けんと、そのまま帰ってしもうたんや。これこれ。」
鶴瓶がその教室を訪ねた時の写真。床に燃えた跡が残っている。
堤「えっ?まだ残ってんの。残ってんのや~。それがすごいな。」
鶴「全然、あと燃えたりしてなかったのよ。ほいでね、わかばはクソ!言うて、バーン殴ったら血い出て。」
堤「(窓ガラス)割りよった~と思って。そしたら「痛い~」って、(こぶしに)ガラス刺さったまま。それで病院連れてって。」
鶴「青春やな~。でも、その後学校が、誰か放火しよったと。ごっつう問題になった。」
堤「全校、授業中止になりましたね。それで別の奴らが疑われそうになったんで、僕ら自分でやりましたって言いに行って。(親子で)校長室呼ばれたんです。校長が「えー」って言い出したら、桑木のおかんが、「こいつがアホですねん」って、桑木の頭をバコンパコン殴りだして。こっちでうちのおふくろが、校長の話なんも聴かへんで、(大げさにうなづくまね)ふんふんふんふん、って言って。全然両方の親が聴かないわけですよ。で、校長も結局、言いたいことなんも言わずに、「もういいですから、帰って下さい」って。
【上京した頃】
JAC(ジャパンアクションクラブ)の京都の養成所に1年通い、合格して東京に出る前の日。堤さんは病院に報告に行きます。
鶴「お父さん、どうだったの?」
堤「元気でなって。この話したら、泣きそうになるからダメです。まあ、自分ももう死ぬってわかってるし。」
鶴「桑木くんが、「おばちゃんあのとき、5万円ずっと、真一に送ってたんや。苦労したと思うわ、て言うてた。」
お母さんは病院に通いながら昼夜働き、月5万円の仕送りをしていたそうです。
堤「おふくろのことは、学生の時とか30くらいまでは、ようしゃべるし鬱陶しいなあと思ってたけど、今一番、尊敬してるかな、人として。」
【賞をとることに】
以前桑木さんに、映画などで演技を評価され、賞をもらうことに違和感があると相談していた堤さん。
堤「映画とかって、スタッフすごい人数じゃないですか。その代表としてね。」
鶴「スタッフが幸せになるよ。ああ、やってて、携わってよかったって。それを思うと、自分がどうこうじゃないっていう思いがあるからね。自分は自分で、ほめてやりや。」
堤「自分をね。…それが出来ないわ。もともと向いてないと思ってるから。そういう風に、役者を目指してやってたわけじゃないので。だから、人前に出るのもいやだったから。プライベートで飲んだりするのは、全然いいんですよ。人前に出て芝居するとか、未だにちょっと勇気いりますよ。」
【玉三郎さんとの出会い】
鶴「役者のこといろいろ悩んでるっていうのわからへんから、こないだ、玉三郎さんのとこ行ったら。」
玉三郎さんと話している写真。
堤「(小さな声でつぶやくように)もう~、どこ行ってんの。」
鶴「後光射してるやろ。これ、今日やで。今日会いに行ったんよ。」
鶴「あの子はそういう子やと。いろいろ悩む子やし、悩んだらいいのよって。」
堤「え~。」
堤さん21才の時、玉三郎さんが出ていた『天守物語』で、堤さんが獅子頭の前足をやっているとき、玉三郎さんがその獅子の中に一瞬(30秒くらい)入る場面があったそうです。
鶴「パッと入る時に、「ああた、役者目指してるの?」って言ったらしいね。」
堤「芝居ごころあるから、お芝居しなさいって言われて。芝居ごころって…?っていう時だったんですよ。なにそれっていう。」
鶴「獅子頭入った時に、「やりなさい、芝居」って言ってまた出て。それ毎回。すごいよな。坂東玉三郎の価値も、わからなかったやろ?そんとき。」
堤「全然わかってなかったです。歌舞伎も観たことないし。名前はもちろん知ってるけど。」
鶴「すごいな、それが。獅子の動きだけでよ。」
堤「それからちょこちょこ呼んでいただいて。演出とか受けてたんで、その頃はよくお会いしてたんですけど。僕、10何年振りに逢いに行ったんですよ、こないだ3月くらいに歌舞伎座へ。」
鶴「そんなに会うてないとは思ってなかった。」
堤「いやいやほんとに不義理してました。公演終わって楽屋行って、久しぶりに昔の話したりしてた時に、「あんたもいろいろあったんでしょ?」っていうことを、バーッと言ってくれるんですよ。私もこういうことがあったって。それ聴いてるだけで、このままずっといさせてっていう感じです。」
鶴「見てみーな、この笑い方。この人ね、人間パワースポットよ。」
堤「ほんとそうですよ。」
鶴「さすが坂東玉三郎やな。それに見染められたんやで。」
堤「ほんまやね。」
【孤高のメス】
鶴瓶とIMARU、お母さんと桑木さんの試写会の写真。
鶴「難しかったやろ、これやんの。」
堤「これほんとに全部、自分でやってるんですよ。勘違いしましたもん、途中で。やってる最中に。俺、肝臓の手術できるかもって(笑)。」
【舞台裏】
ゲストが帰った後に、鶴瓶さんが観客に感想を言い、それをゲストが舞台裏で聴いているという趣向。
鶴「俺と同じかなあと思ってた、神経ね。でもほんまにナイーブな所があんねん。役者を辞めようと思ったことがあるというね。えーっ?最近よ。最近なんよ。それを玉三郎さんに言うと、「そうやねー」って。「でもそういうギリギリの所でいろいろ悩むから、あんな役ができるんや」と。「だから悩むことはすごく大事だと思うし、20数年前に声をかけた人が、未だに役者を続けてくれてることが、私の生きがいです」って言うてはったよ。
あと、取材終わって桑木さんに、メールもらったんですよ。読みます。「(途中略)…僕はこれだけみなさんに感動を与え続けることが出来る素晴らしい役者という仕事を、本人が少しでも苦しまず希望を持ってやり続けてほしいんです。」それからお母さん。「あんな無口なお父さんやったけど、あんな宝物を残してくれたから、私は少しでも長く生きれることをほんとに今感謝してるって、言うてはりました。こんな素敵な家族や友人や師匠に囲まれてるんやから、悩まずにみんなを感動を与えてほしいと思います。」
これで終わりかと思ったら、鶴瓶さん、舞台裏の堤さんのところへ。
ちょっと涙ぐんでいる様子の堤さんと、桑木さんの話を。悩む心の内を訥々と話す堤さん。
鶴「ごめんごめん、こんな番組でそんなこと言わしてなあ。」
堤「なんか今日すごい感動しましたわ。」
CMが入って最後に映った一瞬の、堤さんの一言。
「やっぱ、家に行かれんのは、あんまりうれしないわ(笑)。」
取材で会いに行ったとはいえ、少しの時間だけのことなのに、「桑木な~」とか言って、身内のようにしゃべる鶴瓶さんを見ていると、昔からの付き合いのような気がしてしまうのがすごい。関西弁の気やすさと相まって、いつになく堤さんが素で話しているのを、本当はこんな人なんだ~、と、不思議な感じを受けながら観ていました。
本当のところなんて、わかるはずもないんですけど。
そういう部分を出させてしまったことに対しての、最後の「ごめんごめん」は、鶴瓶さんの申し訳ない気持ちの表れだったんじゃないでしょうか。
違う人の人生を演じて、人の心を動かすという仕事は、役者自身の身を削る部分もあるんだなあ。番宣で出ただけのつもりだったのに、大変でしたね堤さん。コワい番組です。