「流星の絆」最終回 | 甲羅に似せて

甲羅に似せて

蟹は甲羅に似せて穴を掘るそうです。私も日々の想いを
蟹が穴を掘るように綴っていけたら・・・。

やはり、柏原が犯人だったんですね。そうだったらあんまりだと思っていたので、「なんであんたなんだ。」という功一の言葉は心に突き刺さりました。


事実ってそういう割り切れないものなのかもしれないけれど、罪に対する感覚が人より厳しいはずの刑事という職業をしていて、いくら息子を助けるためとはいえ、両親を殺して子どもがどうなるかということを考えなかったはずがないと思うし、200万円というのも、人殺しをするほどの金額なのだろうかという疑問も残ります。そういうことさえ考えられなくなるほど、切羽詰まって心乱れていたということなのでしょうか。


そして時効が近づき、功一たちが犯人探しをするのを近くで見ている柏原の心のうちには何があったのでしょうか。


逃げ切りたいのなら、再び三兄弟に近づく必要もないわけで、心の奥で自分の罪は明らかになるべきだという思いと、兄弟たちの行く末を案じる気持もあったように思います。


私は12/5の回の、カレーハウスで功一と柏原が話す場面がとても好きで、何度もこの場面を繰り返して観ていました。2人の内に秘めた何かの気配を感じて、それが何なのかと想像力をかきたてるシーンでした。


柏原「犯人つきとめたら、どうする?俺が刑事だということを忘れて、ただの50過ぎのオッサンの質問だと思って答えろ。」

功一「(きっぱりと)殺しますね。…柏原さんは?」

柏原「えぇ?」

功一「刑事じゃなかったらどうします?」

柏原「殺すね。少なくとも、それくらいの覚悟でやってるよ。」


この後、功一は何を思ったのか、チキンカレーと言われたのに、アリアケのハヤシライスを柏原に出します。

「うめえよ。」と声をかける柏原の言葉に笑いながら、背を向けて頬杖をつき、何事かを考えこむ功一の頬を伝う一筋の涙。功一の心の中を推し量らずにいられない、その表情の変化に、しばし心を奪われました。


昔、アリアケのハヤシライスをよく食べたと話す柏原は、何故同じものを食べて気付かなかったんだろう。後から考えると、あるいは気づいていたのかもしれません。そして、犯人云々の会話。犯人が柏原だとわかってから聞くと、また違った意味で胸に迫るものがあります。


最終回、拳銃を構えながらも柏原に生きて償うことを求めたのは、功一の優しさなのかもしれません。そうすることで、両親の死を乗り越えることができたのかも。


ポストイット高山さん、好きだったので、最後までありがとうと思いました。行成くん、なかなか味のあるキャラでしたね。ジョージさん、途中からちょっとあぶない感じのキャラになっていったのが面白かった。寺島さんとか柄本さんとか愛子さんとか…。キャスティングも個性的で好きでした。まゆなし、最後まで不思議な役どころでしたね(笑)。


そして二宮くんと錦戸くんと戸田恵梨香ちゃん。うまかったなあ。すごく入り込んで観てしまいました。あと、子役の子たちも雰囲気がぴったりで、特に功一役の子には、泣かされました。


いろいろあって戸神父に買い戻してもらったアリアケのお店が再オープン。「かわいそうな顔じゃないよ。」と言う功一の言葉に微笑んでしまいます。そんな日の光の中にある幸福な結末を予想できなかっただけに、ハヤシライスの香りが立ち込める中、軽口をたたき合う兄弟たちの声が聞こえてくるようでした。