9/10放送分の最終回。だいぶ経ってしまいましたが、録画を見ていて、改めてキャストも脚本もよかったなあと感心。
「この世界に愛はあるの?」
被害者の残した言葉のようで、実は犯人の残した手がかりだったこの言葉。
それは、いろいろな意味と余韻を振りまきながら、このドラマの後半の基調になるイメージとして、心に残りました。
子供のころ、ゴンゾウが助けたために家族の中で一人だけ生き残り、施設に預けられた杏子。、再会したときには売春婦になっていて、「私が助けてほしかった時には一度も現れないで、今頃なぜ現れたの。」と、ゴンゾウを激しくなじります。
そんな杏子に惹かれて行ったのは贖罪だったのか、正義感だったのか。犯人の居場所を教えることで殺されてしまった杏子の、「この世界に愛はあるの?」という言葉と彼女の幻影に、かつて自殺未遂をするほど追いつめられ、自分を責めて、今も精神的に不安定な部分を残しているゴンゾウ。
自信たっぷりで冗談まじりの普段の様子と、ピストルでロシアンルーレットを繰り返し、死ねなくて溜息をつく二面性を演じる、内野聖陽さんの演技に引き込まれました。
犯人乙部に撃たれて血だらけになりながらも、「この世界は愛で溢れている。」と、答えるゴンゾウ。そこに至るまでの彼を思い出しながら、この言葉に至った彼の胸中はどんなものだったのかと考えます。あの血しぶきはちょっと大げさ過ぎて「え~っ。」と思いましたが、むしろ体に痛みがある方が、心は楽なのかもしれません。
そして、事件が終わった後の、佐久間との会話。私は、もっとこの人は何かを企んでいる悪人かと思っていましたが、佐久間にとって、黒木は越えようとしても越えられない壁のような存在だったんですね。筒井さんの感情をあまり出さない演技と、内野さんの舞台かと思うような過剰な演技が、うまくバランスしていて、お互いを引き立て合っているように感じました。
ゴンゾウがいつもペコちゃん(?)の棒付きキャンディーをくわえているのは、内野さんの役作りだったんでしょうか。ちょっと木枯らし紋次郎を思い出しました(古っ)。
遠藤巡査に、「あめでもなめるか?」と言って、ポケットからキャンディーを取り出して、それをあげるのかと思ったら新しいのを自分の口に入れて、自分がなめていたのを彼女の口に入れるゴンゾウ。(なんてことを!)
少し間があってそれに気づいた彼女の「バッチイ!」と叫ぶ声に、笑ってしまいました。うわ~、気の毒。でも、こんな小ネタも面白い。
ゴンゾウのあまりのダメダメぶりに不安を覚えながら見始めましたが、一見単純なようで繊細な、冗談ばっかり言っているようで死の底を覗いているような、そんな複雑な黒木という存在に、いつのまにか魅了されていました。
物語も思わぬ展開で、気づいたら毎回、生で、息をのんで観ていました。やっぱりドラマは、息もつかせぬストーリーと魅力的な登場人物があってこそですね。
来期はこんな気持ちになれるドラマはあるかしらと、今だ余韻に浸っています。