「蟹工船」は、1929年に小林多喜二によって書かれた小説で、私も読んだ事がなくて、名前を知っているだけですが、これが本屋さんでとても売れていて、都心のほとんどの本屋さんで平積みされているのだと、今朝のニュースでやっていました。
カムチャツカで蟹を採って、それを船内の労働者が缶詰に加工する蟹工船の中の話で、ノルマをこなすために監督者が不当に労働者を酷使したため、労働者が立ち上がり、ストライキを起こすものの、軍に鎮圧されて、前にも増して労働酷使されるようになり、再び労働者が立ち上がるという、特定の主人公がいない、群像を描いたプロレタリア文学の代表とされる小説だそうです。
80年も前に書かれたこの小説が知られるきっかけになったのは、この作品がマンガ化されて、マンガ喫茶に置かれるようになり、そこで読んだ人の口コミで、広がって行ったそうです。
この作品に書かれる労働者の実態が、ワーキングプアと言われる、働いても賃金が低いままで苦しんでいる今の若い人の労働状況と似ていることで、共感を得られたのだとか。
この間は、太宰治の「人間失格」が、表紙をイラストに変えたことで、再び読まれているというニュースにびっくりしましたが、こういう現象は面白いし、日本の古い作品が、新しい視点で若い人に読まれるのはうれしいことだなあと感じました。
本が売れなくて、若者の活字離れが語られた時期もありましたが、今の時代って、老いも若きもけっこう活字に親しんでいるんじゃないでしょうか。
図書館に行っても結構人がいるし、借りたいと思う本は貸し出し中になっていることが多いです。子ども達も、名作は読まないけど、若い人が書いた話題の小説を読んでいるし、ブログを読むのも、紙に直すと結構な量になるんじゃないでしょうか。
そのことがうれしく思うのは、やっぱり物事を深く考えるためには国語力が不可欠で、本を読むことで自然に身につくことだからです。
正しく物事を判断できる若者が増えれば、今は物価高その他でちよっと住みにくくなってきた日本も、未来に向けて段々良くなっていくんじゃないかしらと、期待します。