ちりとてちん 3/8 | 甲羅に似せて

甲羅に似せて

蟹は甲羅に似せて穴を掘るそうです。私も日々の想いを
蟹が穴を掘るように綴っていけたら・・・。

 入門の時から、「落語の、大きく長い流れの中に自分も入りたい。」とお手本のような口上を言っていて、ものがわかっている風な木曽山君でしたが、実はそれを一緒に支えているのが、観客だという部分が抜け落ちていたんですね。


 喜代美ちゃんに一喝されて、草々さんに観客の大切さを忘れるなと言われ、今度は木曽山君の方から散髪屋組合の落語会に出させてほしいと、草々さんに頭を下げます。「まだ早い。」と断る草々さんに、何を思ったか、喜代美ちゃんは木曽山君の隣に座って「出させてください。」と頭を下げます。

 「どっちの味方や。」と驚く、草々さん。結局、寝床で3人、頭を下げて、磯七さんに、「やっぱり木曽山君にやらせてほしい。」と頼んでいました。

 あきれながらも、自分はひとつでも多く落語が聴けたらいいんだからと、磯七さんは許してくれました。


 その後、木曽山君が喜代美ちゃんにお礼を言いに行くと、正平君が、「うそはほどほどにしておいた方がいいよ。木曽山君が本当の気持ちを打ち明けたから、お姉ちゃんも本当の気持ちでぶつかれたんだ。そうしないと、いい関係は作れない。」と言います。「やっぱり正平さんは苦手やな。」と笑いながら、木曽山君はお礼を言って出て行きます。


 正平君のうそのないまっすぐな性格を見て、そうなれない自分を恥ずかしく思う気持ちが、木曽山君にはあったように思います。同じくらいの年頃の正平君に言われた言葉は、耳に痛いかもしれないけれど、心に響いたのではないでしょうか。


 木曽山君が帰った後、正平君の言葉に、「そういうことだったんだ。」と感心する喜代美ちゃん、おかしい~。頭で考える前に行動しているんだなあと改めて思いました。だから、喜代美ちゃんの行動は、突飛で予想がつかないんですね。でも、心にうそがないから、まちがわない。

 逆に、正平君は、頭で先まで考えてしまって、行動に移せないと、自分でもわかっているようでした。

 両方で補い合って、丁度いい気がします。


 徒然亭のメンバーが稽古場に集まって、木曽山君の芸名披露です。「徒然亭小草々。」と、草々さんが言ったとたんに、爆笑してしまいました。・・・なんかへん~!本人も微妙な表情をしているし、他のメンバーも、パクリじゃないかとか、他に思いつかなかったんじゃないかとか、言いたいことを言っています。

 そして、喜代美ちゃんは、初高座祝いの塗り箸を渡しながら、「塗り重ねたものだけが・・・。」と言う講釈を始めますが、突然取材と言って入ってきた奈津子さんと一緒に来た小次郎さんが、喜代美ちゃんの背中を何度もつっつきます。「今いいとこなのに。」と怒ると、「それ正平の箸じゃないか?」と小次郎さん。


 何の手違いだったのでしょうか。でも、木曽山君は、「正平さんが、この箸はかっこだけ整えた見掛けだけの箸と言っていましたが、落語をやる時には、その言葉を思い出して、見かけだけ、口先だけでやらないようにと言い聞かせて、励みたい。」と、逆にうれしそうにその箸を受け取ります。


 「はてなの塗り箸」の落ち着き先は、ここでしたか。考えると、いくら芸術的でも、知らない人が作った箸よりも、身近な人が作った箸をもらう方が、うれしく大切に思うかもしれないですね。


 無事、落語会を務めて、会場が沸く様子をうれしそうに見守る喜代美ちゃん。草々さんも駆けつけてくれました。


 やっと徒然亭も落ち着きを取り戻してきましたね。小草々の「小」がとれる日を目指して、がんばれ、木曽山君!