ちりとてちん 1/17 | 甲羅に似せて

甲羅に似せて

蟹は甲羅に似せて穴を掘るそうです。私も日々の想いを
蟹が穴を掘るように綴っていけたら・・・。

 「一生懸命なアホほどいとおしいものはない。」


 アホぼんとの付き合いと妊娠が両親に知れて、大騒ぎの後、喜代美ちゃんの実家に泊まった順ちゃんの言葉です。器用に人生を生きてきたように見える順ちゃんの心のうちは、ひょっとしたら、親にも見せたことのないものだったのかもしれません。


 私もちょっと順ちゃんと似ているところがあるなあと思いながら話を聞いていたら、涙が止まらなくなりました。頭の中で物事の道理を考えて、常に自分が引いて周りがうまく行くことばかり考えているうちに、自分がほんとは何が好きなのか、何がしたいのかわからなくなっていたのではないでしょうか。頭でばかり先のことを考える人間には、なりふり構わず、不器用でも自分の好きなように生きて、かっこ悪い姿も隠さない天然のキャラが、なんともまぶしく輝いて見えるのです。


 順ちゃんのこと、どうしてあげたら助けてあげられるんだろうと悩む喜代美ちゃんに、すねていた草々さんもいつの間にか、「どうしたらいいんやろなあ。」と、お店に2人でしゃがみこんで考えています。

 そこへ喜代美母が帰ってきて「集合させて。」と、突然の指令。


 友春さんは、お父さんにも事の顛末を話し、魚屋を継がなくてはいけないから工場は継げないと謝ります。

 その時のお父さんの言葉に、心が冷えました。


 「これ以上がっかりさせられることがあるとは思わなかった。」


 お父さんにとっては、子どもの成長を温かく見守ることより、自分の仕事の跡継ぎのことしか頭にないのが、短い言葉の中からも伝わってきます。魚屋食堂の両親は話して説得できると思いますが、この頑固親父さんの心を動かすのはかなり難しそうです。


 家族ってなんだろう・・・と思います。


 あんなに助け合って楽しく暮らしていた順ちゃんのお父さんとお母さんは、順ちゃんのことをしっかり者としか見てなくて、思い悩んでいることすら気がついてあげられませんでした。そして、妊娠を告げられた後、ショックを受けて、悩んでいた順ちゃんに辛かっただろうという言葉をかけることすらせずに、その場を離れてしまいました。

 友春さんのお父さんも、なぜそうなったのかといういきさつや、友春さんの気持ちをゆっくり聴いてあげることもせずに、自分の主張ばかり口にします。


 順ちゃんと友春さんが、なんとかみんなに祝福されて幸せになることを願っています。そのために、周りのみんな、がんばれ~!!!