■観察について (枯葉の例)■
さて、前回の続き。
前回は、「観察道」について記しましたね。
「前後左右をしっかり見ているだけで、観察ができているとは思ったら大きな間違い
というところで終えたと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここから今回・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
では、何が間違いなのか?
そう、それは、何かを認識対象としてとらえる、という話なのです。
簡単な例でいうと、デジカメをイメージしてくださいね。
ふつう、私たちは、撮影するものに出会う前は裸眼で見ているでしょう。
そして、「あ、これは撮影にいいな」と思ってはじめて、
デジカメをかまえてファインダーから対象をとらえますよね。
その感覚を、散策にも持っていただきたいのです。
たとえば。
目の前を枯葉が一枚はらはらと落ちていくとします。
この枯葉は、撮影対象としなければ
そのままじっと、立ち止り、落ちていくのを見つめるだけでしょう。
ですが、撮影しようと思ったら、
どんなアクションをするでしょうか?
アングルを考え、ズームを考え、自分は激しく位置を決めようと動きますよね。
このアングル(どこから見るか)とズーム(どのくらい迫って見るか)、そしてシャッターチャンス(何を見るか)。
これらを、いざ対象をとらえたら、いつも決めるのです。
そうしてはじめて、対象は認識対象として、
散策者にとって意味あるものとして迫ります。
この、「アングル」「ズーム」を考えるという行為こそが、
対象を認識する上で、極めて大切なアクションになるのです。
次回は、実際に歩きながら、観察をする例を臨場感あふれた形で、お伝えしましょう。
効果的な「観察」の順序
テーマ「愛するものにだけ、見えるものがある」
を
補足して書いています。
さて。
前回、散歩を例にとって、魅力を3倍多く発見するテクニックをお伝えしましたが、
実践されましたでしょうか?
私は、現在住みなれた東京を離れて、佐賀に赴任しているので、このテクニックをふんだんに
使って、佐賀の町歩きの楽しみをしっかり見つけています。
本当に奥が深い。
さて、本日お伝えしたいのは、散策の順序
です。
私の仕事は、佐賀の魅力を発掘するプロデュース業なので、このテクニックが実践として
大変活きており、我ながら頼もしく感じています。
下記の3回のステップどおりに観察を進めることで
自分のその町に対する理解の深まりに
ちょうど呼応するかのように発見できるものも増えてきていて、
それをもとにした企画が次々に生まれているのです!
この順序がもっとも効率的で、喜びが増しますのでお勧めします。
最初に車などで広い範囲をカバーして観察する
↓
次にポタリング(自転車での散策)などえ気に行ったコースを無目的で回ってみる
↓
最後は、徒歩。徒歩で、四囲をきょろきょろしながらじっくり時間をかけて見てみる。
はい(笑)。あまりきょろきょろ
すると不審者に思われるかもしれませんが、
そんなことを恐れていては「観察道」(今命名しました)を究めることはできません。
前後左右をしっかり見ているだけで、観察ができているとは思ったら大きな間違い。
なぜ間違いかは、次回のブログでご説明します。
■対象の魅力を発見する可能性を3倍高める■
こんにちは。
ひさびさの記述です。
「魅力を発掘する」ためには「よく観察する」ことが大事。
そして、「愛する」ということは、それ自体が、「その対象をよく観察する」ということに他ならない。
これまでは、そういった魅力を発掘する基本スタンスをご説明してきましたね。
さてさて。
もう一段先に進みましょう。
よく観察するためには、見る角度を変えてみることも大事ですね。
これは、とても簡単に 新たな魅力が発掘できますね。
たとえば、知らない町の観光を楽しむとき。
車でドライブ
自転車でサイクリング
そして
徒歩でのんびり散策。
これら3つの行き方では、
眼に飛び込んでくる風景、音、匂いまで違ってきますね。
ぜひぜひ。今度お時間があったら、
いつもの行き慣れた通りを、普段とは違った通り方をしてみてくださいね。
スピードを変えただけで、対象の知られざる魅力にはたと勘づくことはたくさんあるんです。
ちなみに私は、今日はいつも自転車で通っていた、お城通りを、歩いてみました。
県立図書館に続く橋を渡るときに、橋の下から何かがものすごい勢いで飛び出たのですね。
なんと、お堀の水の上すれすれを、カワセミが瑠璃色の直球のように、
超特急で飛んで行き、50メートルほど先で魚をとらえるために
ポシャンと水に突入したのを見ることができました。
今まで、カチガラスや鷺のような水鳥こそ、佐賀のシンボルだと思っていましたが、
市の中心街にカワセミがいるなんで驚きでした。
今私は佐賀の魅力を発掘しプロデュースする仕事をしていますから、
この体験も今後どこかで、PRの材料になるかもしれません。
自転車でしたら、発掘できない魅力でした!
なにも難しいことしなくても、対象の魅力を発見する可能性が3倍高まる実例でした。