『スリー・カード・マーダー』(JLブラックハースト 三角和代訳)を読んで | 日々感じたこと・読んだ本

『スリー・カード・マーダー』(JLブラックハースト 三角和代訳)を読んで

読むのがつらくなるほど、日本語翻訳された文章がわかりずらかったのが哀しい。

え?っと思い、「これどういう意味なの?」と思い何度か読み直した部分もある。

それと、意味が通じないところがあった。誤訳なのではと思った。

たとえば文庫本のP241の8行目

「~彼女について調べるように頼んだ」とのくだりがあるが、

この「彼女」とは誰なのか?ここで調べる対象となるのはルカマンシーニで、男性なのだが。

100歩譲って、調べる上で関係性が出てくるはずである、セアラ(女性)のことかなと考えたのだが、

P253において、その「調べた結果」を報告するくだりがあって、そこには、はっきりと

「マンシーニは・・・」と書かれている。

 

いったいなんなんだろう。

これって、物語的には大事なところだし、そもそも手の込んだ密室殺人ものなので、読者は一字一句慎重に読んでいるはずなのに。編集者も翻訳者も多忙だからなのだろうか?

もしかしてAIを下準備で活用して、翻訳したのかな、と思うほどであった。

 

他にも、日本語として微妙におかしくなるところがあって( 「していた」を「しておった」的に九州弁になる箇所)びっくりした。

 

やっと読み終えてほっとしている。