『キュレーターの殺人』(MWクレイブン著)早川書房を読んで | 日々感じたこと・読んだ本

『キュレーターの殺人』(MWクレイブン著)早川書房を読んで

ワシントンポーシリーズの第3作目

文句なしに面白かったです。

 

 主役はもちろんワシントンポーと、変わり者同市(笑)の相棒天才娘ティリー・ブラッドショー。

ポーの上司のステファニー・フリンは、おめでたのためあまり登場しませんが、重要な役割を担います。

そういえばじこのシリーズは、毎回新たな女性が登場してきてますが、今回も前作に登場した」ジョーナイチンゲールや、エステルドイルなど魅力的です。

 

 さてキュレーターとは職業名のひとつで、図書館や美術館のスタッフのことで、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門職のことで、究極の学芸員のような存在だと理解しています。なぜタイトルに使われたかというと、この仕事内容にはあまり関係ないように思います。「ハンドルネーム」みたいなものなのかな、それとも仕事の性質がキュレーターに似てるからなのかな?よくわかりませんでした。

 

以下、ほんのちょっと軽いネタバレがありますよ。

 

 この作品ですが、一般的な市民を身代わり殺人者に陥れる恐るべき心理操作のされ方が記されていて、そこが最も戦慄します。

 

 そしてそのやり方にはIT時代ならではの拡がりが見えており、もしパソコンやスマホなどがなかったら、この手の犯罪は起こらなかったろうと思えます。時代の進化に沿って生まれた恐るべき犯罪ですね。

 

 ちなみに、その真の黒幕とは・・・・・・・・

呆気にとられます。

読まれる方は、慎重に文章を読んでおくと、もしかすると、ワシントンポーが気が付く前に、犯人に気づくかもしれません。多分可能性はかなり微々たるものだと思います。ほんのわずかな表現で気づけるかどうかですね。