あなたの心が離れていく
目には見えない
音には聞こえない
指先には感じることもないのに
わたしの心が佇んでいる
あなたの目を見て
あなたの声を聞いて
あなたの手を掴めば
あの時ならまだ間に合った?
今でもまだ間に合う?
視界が霞んで
声が震えて
駆け出したい足がすくむのは
思い通りにいかない結末を怖れているから
あなたの背中さえ見えなくなる
その瞬間と比べたら
そんなの怖さの内に入らないとも気付かないで
あの日
あなたを見送ったことを忘れられないのは
いとしさとにくしみ
相反するふたつの想いに初めて気付いてしまったから
心の距離は二度と元には戻らない
知っているからもどかしい
過ぎ去って失った時間の甘さが
今頃胸に突き刺さる
愛されていたときには
愛されていたとも気付けなかった
幼すぎたわたしを
わたしは恨まずにはいられない
~ 本編準拠 失恋は恋心の萌芽と同時に訪れたに違いない、そんな過去のお話 ~