きみが望むだけ
そばに居るから
とか。
きみとなら大丈夫
話し合えるから
とか。
何の拠り所も無い未来を
一時の微熱に浮かされて
口に出してしまうのは
あまりに軽率で。
だけどそれしか知らなくて。
今はそれだけが全てで。
今ある全てが、
今しかない全てになることに、
気付くのが後になっただけのこと。
強い抱擁も
淡い愛撫も
固い指切りも
夢の向こう側に消し去ってしまう未来を、
誰も望みながら約束を交わす訳は無い。
これが運命だとか
このまま永遠にだとか
言葉にすればするほど
理想は指の間をすり抜けて
この手には何も残らない。
知っている。
知っているのに。
眩しい気持ちのカケラさえ
手のひらに残らない
その暗闇を知っているのに。
束の間の安堵がいとしくて。
失う怖さを忘れて。
光を求めて。
きみに賭けてしまう。
約束と、
その
結実を。