塞がれた口唇からこぼれるのは
甘くて切ない吐息だけ
ぼくだけに聞かせて
きみのやさしい音を聞かせて
ぼくだけに魅せて
きみの淫らな踊りを魅せて
この手の中で
ぼくの熱を感じながら
時折震えながら
『やめて…』
掠れる声で懇願しながら
きみの意識は暗い渦に飲まれていく
そっと閉ざされた瞼さえ綺麗
もう二度と冷めない夢におやすみ
ぼくの腕の中で
次第に熱を失っていく
かつて『きみ』だった器
いとしくて
いとおしくて
『きみ』じゃなくなってもあいくるしくて
ぼくにだけ与えられた『この時間』が
永遠の入り口だと思った