開けてしまった | ・・ 夢と現の朧なる ・・
それは世に言う、パンドラの箱、というものだった。



ほんのわずかの言葉が鍵になって、開いた。







彼は、平常心を装いながら、



狂気じみた振る舞いで、周りを巻き込んだ。



一番の被害者は、彼を心配した人たち。



放ってはおけないから。



一定の距離をもって接していたけれど。



彼はその距離を近付けたくて、離したくなくて、



ことごとく捕らえた。



ことごとく縛り付けた。



そして、ことごとく壊した。







開けてはいけなかった。



開いていることに気付かないフリができなかった。



全てを壊したときには、彼も壊れていた。







壊すのは一瞬で、



元に戻すには莫大な時間が必要で、



戻そうとしても最初と同じようにはならない。







壊れてしまったものは、元通りにならない。







知らなければ、みんな、幸せだった。



夢でも。



偽りでも。



かりそめでも。







何も見ない幸せが、この世には存在するのに。



真実は、残酷な事実しか見せてくれない。







それでも、真実を求めてやまないキミは、



悪魔?



それとも天使?