それは世に言う、パンドラの箱、というものだった。
ほんのわずかの言葉が鍵になって、開いた。
彼は、平常心を装いながら、
狂気じみた振る舞いで、周りを巻き込んだ。
一番の被害者は、彼を心配した人たち。
放ってはおけないから。
一定の距離をもって接していたけれど。
彼はその距離を近付けたくて、離したくなくて、
ことごとく捕らえた。
ことごとく縛り付けた。
そして、ことごとく壊した。
開けてはいけなかった。
開いていることに気付かないフリができなかった。
全てを壊したときには、彼も壊れていた。
壊すのは一瞬で、
元に戻すには莫大な時間が必要で、
戻そうとしても最初と同じようにはならない。
壊れてしまったものは、元通りにならない。
知らなければ、みんな、幸せだった。
夢でも。
偽りでも。
かりそめでも。
何も見ない幸せが、この世には存在するのに。
真実は、残酷な事実しか見せてくれない。
それでも、真実を求めてやまないキミは、
悪魔?
それとも天使?