姫君と騎士 | ・・ 夢と現の朧なる ・・
美しき姫君の顔<かんばせ>を、一目見たいがため。







華やぐ王宮で彼の人に出会った。



胸の奥に鮮烈に走る情動。



想いの赴くままに駆け出した。







触れてはいけない。



知りながら。



一目見るだけでは満たされず。







目の前の華人は儚くて。



紡ぐ言葉は拙くて。



聡明な瞳とは裏腹。







姫君は気高く、美しく、



されど稚<いとけな>いくらいが愛おしい。







何故、ここまで焦がれてしまうのだろう。



胸に焼きつくような想い。







それでもこの腕<かいな>に引き寄せることはままならず。







私は今日も、幼い言葉で綴られる物語に耳を傾けて。



飯事<ままごと>のような恋に明け暮れる。