美しき姫君の顔<かんばせ>を、一目見たいがため。
華やぐ王宮で彼の人に出会った。
胸の奥に鮮烈に走る情動。
想いの赴くままに駆け出した。
触れてはいけない。
知りながら。
一目見るだけでは満たされず。
目の前の華人は儚くて。
紡ぐ言葉は拙くて。
聡明な瞳とは裏腹。
姫君は気高く、美しく、
されど稚<いとけな>いくらいが愛おしい。
何故、ここまで焦がれてしまうのだろう。
胸に焼きつくような想い。
それでもこの腕<かいな>に引き寄せることはままならず。
私は今日も、幼い言葉で綴られる物語に耳を傾けて。
飯事<ままごと>のような恋に明け暮れる。