2009.1.24 08:56
このニュースのトピックス:科学

大きな目で人間を見つめるラブラドルレトリバーの雄(永沢美保・麻布大助教提供) 愛犬に見つめられると、相手への信頼感やきずなを強める働きのあるホルモン「オキシトシン」が飼い主の体内で増加することを、麻布大と自治医大の研究グループが確認した。
オキシトシンは、哺乳(ほにゅう)類の母子関係や夫婦のきずな形成に関係しているとされるが、異種間での作用が確かめられたのは初めて。「見つめる」という行為がオキシトシン増加を招くことについて、永沢美保・麻布大助教(比較認知科学)は「『目は口ほどに物を言う』と言われるが、人間と犬の間でも視線が重要なのだろう」と話す。
研究グループは55組の飼い犬と飼い主で実験。室内で1組ずつ30分間触れ合ってもらい、飼い主の尿に含まれるオキシトシンの濃度を測定した。すると、事前アンケートで犬との関係が「良好」と判断された飼い主13人では実験後に濃度が大きく上昇したが、「普通」の42人では変化が無かった。
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ソコクジラウオ科は雄とわかった。長さ約6センチ

クジラウオ科は雌とわかった。長さ約10センチ

リボンイワシ科は子どもとわかった。全長80センチになるのもいる=いずれも国際研究チーム提供
これまで別ものとされてきた深海魚の三つの科が、ひとつにまとめられそうだ。日米豪の国際研究チームが、3科が成長とともに姿を大きく変える魚の子ども、雄、雌にあたることを明らかにした。英専門誌バイオロジー・レターズ(電子版)に発表した。
キンメダイに近い仲間のリボンイワシ科、ソコクジラウオ科、クジラウオ科の3科で、それぞれ体長の5倍以上もある長いリボン状の尾、肥大した嗅覚(きゅうかく)器官、クジラのような顔つきといった特徴をもつ。
見直しのきっかけは、チームに加わる千葉県立中央博物館と東京大海洋研究所などが03年に発表した論文。魚類100種のミトコンドリアDNAの塩基配列を比べたら、リボンイワシ科とクジラウオ科にほとんど差がなかった。この結果に米豪の学者から疑問が出されたが、共同研究により、ソコクジラウオ科まで含めた3科のDNAにほとんど差がないことがわかった。
世界中の標本を調べると、リボンイワシ科は成熟個体がなく、ソコクジラウオ科は雄ばかり、クジラウオ科は雌ばかりということも判明。チームは3科をクジラウオ科に統一するよう提唱する。
魚で親子や雌雄の姿が違うことは珍しくないが、同館の宮正樹・動物学研究科上席研究員は「この仲間の姿の違いは魚類学者の想像を超えていた」という。(米山正寛)
「生きる化石」といわれ、世界最高齢のムカシトカゲのヘンリーが111歳で父親になった、とニュージーランドのサウスランド博物館が発表した。メスのミルドレッドが産んだ12個の卵から11匹の赤ちゃんトカゲが誕生した。
チュアタラと呼ばれるムカシトカゲは、ニュージーランドにしか生息しておらず、今は5万匹程度と言われる。ヘンリーも絶滅の危機から救うための保護活動の一環で捕獲された。現在、博物館には72匹が飼われているという。
AP通信や米CNNなどによると、ヘンリーは70年代に保護されたが、メスの尾をかみちぎるなど攻撃的で気むずかしく、博物館でも繁殖には不向きと見ていた。しかし、02年に生殖器の腫瘍を取り除いたところ、性格も穏やかになった。繁殖行動も示すようになり、博物館に来て30年で初めての交尾成功だった。
産卵したミルドレッドは80歳。一緒に飼われている22歳のジュリエットとはまだ交尾していないらしい。ムカシトカゲは20歳で性的には成熟するとされるが、完全に大人になるのには70年かかる。寿命についての科学的なデータはないが、150~250年は生きるとの説もある。
トカゲに詳しい東邦大理学部の長谷川雅美教授(生態学)によると、爬虫(はちゅう)類の年齢は一般的に個体識別の際に切る骨の年輪などや体の成長率から推定するという。(竹石涼子)

2009.1.17 08:20

スズメ大の新種の翼竜の復元図
ちょうど手元に『いま恐竜が生きていたら』という本があったのでページを繰ってみたら、「翼竜が中生代の大気のなかで飛ぶように進化したのだとすれば、ひょっとすると現代の大気では飛べないかもしれない」(133ページ)と書いてある。翼竜が生きていた中生代の終わり(白亜紀後期)は、今から6500万年以上も昔だが、どうやら現在よりも二酸化炭素の濃度が高かったようだ。だとすると、マイケル・ハビブさんの結論と佐藤克文さんの結論は、必ずしも矛盾しないのかもしれない。翼竜は現在の大気では飛べないかもしれないが、彼らの時代の大気なら自由に飛翔(ひしょう)できたかもしれないからだ。
恐竜もそうだが、翼竜もどんな色をしていたのか、定かでない。残っている化石からは彼らの色は推測できないのだ。現存する爬虫類を見ていると、熱帯では鮮やかな原色のものも多いが、翼竜たちはどんな色だったのだろう。
化石という限られた情報から、翼竜たちの生態を推測するのは大変だが、同時に、科学の醍醐(だいご)味が味わえる仕事かもしれない。私のような古生物学の門外漢も、空飛ぶ(あるいは飛ばない)翼竜の想像図を見るだけで心が躍ってしまうのである。(たけうち・かおる=サイエンスジャーナリスト)

火星で確認されたメタンガス噴出の分析画像。左側の赤い部分で放出が多い(NASA提供・共同) 火星でメタンガスが大量に噴出したのを米航空宇宙局(NASA)の研究チームがハワイの望遠鏡で確認し、15日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。火星で大量のメタンを確認したのは初めて。地質活動か、生物が起源になっている可能性があるという。
チームは、望遠鏡の赤外線分光器で火星を7年間、継続的に観測。2003年の火星の夏に相当する季節に、西半球から水蒸気とメタンの混じったガスが噴出するのを光の特徴から確認した。
地球では、大気中のメタンの9割以上は植物の腐食や細菌の呼吸などの生物起源。火星のメタンも地中深くの微生物が排出したものか、太古の生物の腐ったガスの可能性があるという。
ほかの可能性としては、未確認の火山活動か、地中の熱で二酸化炭素と水がメタンに変化する地質作用を指摘している。(共同)
皆既日食になると、太陽のまわりにはコロナが広がって見られます。また太陽表面から吹き出ている赤いプロミネンスなども観察することができます。空は、程度は日食ごとに違いますが、夕方・明け方の薄明中のように暗くなり、明るい星ならば見ることができます。地平線近くは、夕焼け(朝焼け)のように空が赤く染まって見られます。
日本の陸地に限ると、皆既日食が観察できるのは1963年7月21日の北海道東部で見られた皆既日食以来、実に46年ぶりです。次回も2035年9月2日の北陸・北関東などで見られる皆既日食まで26年間起こりません。非常に珍しい現象と言えるでしょう。
16年間にわたり冷凍保存されたマウスの死骸(しがい)から、クローンマウスを誕生させることに理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの若山照彦チームリーダーらが成功した。永久凍土に埋もれているマンモスなどの復活に道を開く技術として注目されそうだ。東京都内で3日、開かれたシンポジウムで明らかにした。
若山氏はシンポジウムで、「核移植技術による個体の再生-絶滅動物の復活へ向けて」と題して講演。配布資料の中で、凍結マウスからクローン個体を作製したことを明らかにし、誕生したクローンの写真も掲載した。
資料によると、マイナス20度で16年間、凍結保存されていたマウスから核を取り出し、体細胞由来のES細胞(胚性幹細胞)と核移植の技術を使ってクローンの作製に成功した。「マンモスなどの絶滅動物でも凍結死体が発見されれば、核移植によって復活させることができるかもしれない」としている。
クローン動物は羊や牛など多くの哺乳(ほにゆう)類で作製されているが、従来の手法では凍結死体の細胞からは困難とみられていた。若山氏は1997年、体細胞クローンマウスの作製に世界で初めて成功している。
NYの推定年齢140歳のロブスター、海へ戻る1月11日12時18分配信
最終更新:1月11日12時18分 |
【ワシントン=勝田敏彦】火星の中緯度地域にある山のすそ野に埋もれた氷河が見つかった。米国とイタリアのチームが、米航空宇宙局(NASA)の周回探査機マーズ・リコネサンス・オービター(MRO)の観測データを分析してわかった。21日発行の米科学誌サイエンスに発表する。
火星の南緯30~50度付近では、山のすそ野に粘り気のあるものが流れたような地形がある。研究チームが地下構造をMROのレーダーで観測したところ、地中に反射面が見つかった。10メートル程度の厚さの土砂の下に、最大で数百メートルの厚さの氷河が広がっていると考えると説明がつくという。今回観測した地域だけでも、火星の北極と南極にある氷の100分の1程度の量が存在するとみている。
NASAの周回衛星マーズオデッセイが02年、火星の両極域に氷が存在することを電磁波観測で確認。今年5月にはNASAのフェニックスが北極付近に軟着陸し、直接確かめた。



