塾を開業するためには、まず塾をどこに作るのかを考えなければならない。
そのために考えるべきポイントを挙げていく。
○子どもの数を調べる
子どもがいないところに塾を開校させてはならない。
まず、各小学校・中学校・高校の生徒数を調べるために、市町村の統計情報を閲覧する必要がある。
そして、開校見込みエリア全体の地図にすべての学校の生徒数を書き込んでいこう。
半径2~3km圏内で生徒数が一番多い場所はどこだろうか?
さらに、統計的に今後も子どもが増え続ける場所はどこだろうか?
○競合状況を調べる
たとえ子どもが多くいても過当競争地域では大きな成長は見込めない。
半径2~3kmの対象学年の生徒数÷競合塾数
で、1塾あたりの平均の限界生徒数をはじき出す。
その限界生徒数が大きい場所を立地候補としよう。
たとえば、中学生がメインのターゲットであれば、1塾あたりの平均限界生徒数は最低でも200名以上は必要だ。
なぜなら、限界生徒数というのは「すべての生徒が塾に通っている」という前提に基づいた数値だからである。
よって、該当地域の通塾率が50%であれば、平均生徒数は100名となる。
さらに、駅前に大きな教室を構えている大手塾が200名以上を集めている可能性を考慮すれば、これから立ち上げる無名の塾が、今後成長したとしても生徒数は100名前後が限界となる。
市場シェアを奪うのは簡単なことではない。
よって、子どもが多く、塾が少ないエリアを根気よく探さなければならない。
○テナントを探す
ここまでを終え、やっとテナントを探す段階へ入る。
テナントは階数に関わらず、
個別指導であれば20坪以上
クラス授業であれば30坪以上
を目安に探していこう。
あまり狭い場所で始めると、みずから市場に対して「これが私の限界です」と宣伝をしているようなものだ。
できるだけ広い場所を借りることを心がけよう。
それも人通りが多く、目につきやすい場所を探す。
地域にもよるが家賃の目安は、
個別指導で15万円以上
クラス授業で20万円以上
と考えておくとよい。
子どもの数と競合塾の数を調べても、その街にはその街の「導線」のようなものがある。
たとえば、多くの子どもが車でメインターミナル駅まで塾通いをしていたり、塾の立地が裏通りで、子どもが通ってはいけない場所に指定されていたり、などだ。
必ずそのテナントの前に立って、子どもが多く通るかを確認しなければならない。
また、居酒屋が多く酔っ払いの通り道になっている、など塾を運営するにふさわしい場所かどうか「自分の目」で確認をしよう。