放射線治療を受け、10年上経過してからPSA再発を来した方のブログがあります。

経過中、肺がんを併発されました。

 

前 立 腺 癌 ・ 小 線 源 治 療 体 験 記

http://www.max.hi-ho.ne.jp/nobu-m/prostate.html

 

2001年1月(67歳)PSA 36。針生検で癌細胞発見されず。
2002年7月(68歳)PSA 57。針生検で、6 箇所中、片側の 2 箇所で癌細胞発見。グリ-ソン・スコア 5~6。MRI, CT, 骨シンチで異常なし。

2002年10月、大阪大学医学部付属病院に入院し、高線量率組織内照射(HDR イリジュウム照射 54Gy/9fr/5d)を受けた。ホルモン療法の併用は無かった。

2011年9月(77歳)PSA 0.866と増加が続く。呼吸器科の定期検査で肺がんの疑い、CT下肺生検で、肺がん確定、StageⅠA、右肺上葉切除受けた。

2015年9月(81歳)PSA 2.539(PSA再発基準 >2 + 0.5 = 2.5)で、PSA再発と診断。

2017年9月(83歳)PSA 4.673。CT、骨シンチで異常なし。MAB療法(ピカルタミド+リュープリン)開始。その後、リュープリン単独投与。

2021年6月(87歳)PSA 0.036。肺がんの再発はない。

 

INAさんが作られたフリーソフトに、ブログに書かれているPSAの値を打ち込み、グラフを作成しました。勝手にグラフを作り、ブログ主にはお詫び申し上げます🙇

PSAバウンスと思われる一過性のピークが見られます。

 

 

 

今まで、放射線治療後のPSA再発を紹介してきました。

どの方も、PSA再発するまで、一定の期間、何年も間、ゆっくりとPSAが増加して行きます。その間の精神的ストレスは、多大なものがあることでしょう。

 

治療後、生き残った少数の前立腺がん細胞がゆっくり増殖してゆくため、または新たな前立腺がん細胞が出来たためと考えます。

一般に、がん細胞が発生してから、目で見えるがん細胞の塊を作るまでに、約10年を要すると言われています。

がん細胞の増殖には、生き残ったがん細胞の数ばかりではなく、がん細胞の分化度(グリソンスコア)、がん細胞に対する体の免疫反応の強さも関係しているのでしょう。

 

前立腺がんは多発することが知られています。

前がん状態のPINを伴っている場合、放射線治療によって、PINが悪性の前立腺がん細胞に変化した可能性もあると思います。

 

 

放射線治療後の前立腺がんとの付き合いには、長い時間を要します。