2024年5月28日

恩田陸の新しい小説を図書館で予約して、借りることができた。

そうは言っても読んでみたいと思ってから、何か月も経っていて、どうして読みたかったか覚えていない。

本の感触が上品で、ページをめくる手ざわりが、なんか違う。

紙は薄いけど、シルクのように滑らかだ。

これって、「蜜蜂と遠雷」でもそうだったっけ?

 

そして、ページの片隅に、パラパラ漫画がある。踊る男。

これは、春という名の男のバレエの物語だ。

姓:萬

名:春

英語で自分の名前の意味を、ten thousand springと答えた。

 

この春くんの周辺の人が、彼を語る形式で物語は進んでいくんだけど、

その過去形が、なんだか、ワタシにとっては、もしかして、彼はもう死んでいるのか?

という疑惑を常に抱かせ、なんだか読み進みたくない。

 

でも図書館の予約は続いている。

30日がリミットだ。

 

ダンサーであり、コレオグラファーの春。

彼を語る言葉、音楽、しぐさ、それを読むと見えてくる、聴こえてくるものがある。

ボレロ、春の祭典。

手を、動かしながら読んだ。