2024年5月18日

辻井さんコンサート3回目であります。今まではピアノのソロでしたが、

今回は、オーケストラ、ロンドン リヴァプールフィルハーモニーとの共演です。

そして、かの、ラフマニノフ、ピアノ協奏曲第2番。

不純な動機でごめんなさい。

フィギュアスケートで、よく使われる曲でした。

村主章枝さん、高橋大輔さん、浅田真央さん。

 

前回、ホクト文化ホールへ車で行ったら、駐車場がなくて痛い目にあったので、

自転車で行きました。天気が良かった。近い。快適。

演奏が始まる前の、オーケストラの音合わせ、これがなんというか、大きい音で、熱量が高い。

久しぶり過ぎて、こんなに音出すもんだったっけ、となる。

ちなみに、節約生活のヒロミは後ろから2番目の席だ。でも、音はクリア、

いつも県主催のらっちもない○○大会をやってるときよりか、格段に立派なホールに見えました。

満員です。

 

「バッカスとアリアーヌ」ルーセル

ドミンゴ インドヤンという人は、まだ若くてエネルギーあふれる指揮者だ。

オーケストラも、それに応えるように、歯切れのよい、演奏と感じました。

初めて聴く曲かもしれません。勝手な想像として、静かな夜の森、夜明け、嵐と雷、平穏というイメージ。

(全然違いました)

上から俯瞰するオーケストラは、指揮者とともにうねり、波のように寄せては返す。

 

「ピアノ協奏曲第2番」ラフマニノフ

辻井さんがコンクールで優勝して、今後の進路を決めた運命の曲、と語っていました。

ピアノと、オーケストラの対話だ。

オーボエ、ファゴット、フルート。

弦楽器が好きなヒロミが、普段あんまり注目しない管楽器が、饒舌に、よく聴こえる。

 

そして、あの、温厚そうな辻井さんの鬼気迫る表情と力強いタッチ。

見えていないはずなのに、そんなの関係ない。

おなじみのフレーズが繰り返し現れる。

辻井さんが重ね合わすのは、ラフマニノフ自身も、この曲で運命を切り開いたこと。

明けない夜、希望の光、逡巡、前進を繰り返すような。

「希望の光」とは村主さんが、みんなに届けたいとよく使った言葉でした。

 

そして佳境に向かう第3楽章を前に、突如として辻井さんが指揮者の元へ立ち上がって、止めた。

ピアノの弦が切れました。このままというわけにはいかないので、しばらくお待ちください、と。

 

ええっ!そんなことあるの?

調律師さん?登場。弦を収納したファイルと道具箱をたずさえ、10分ほどで張替え完了。

拍手喝采でした。

切れた弦は、かなり右側、高音の部分のように見えました。

低音で重厚な曲のイメージでありましたが、高い音の、刺すようなタッチが鋭く耳に届く。

そしてお待ちかねの、クライマックスへ。背中を押してくれるようなオーケストラ。

光へ向かって突き進むピアノ。思い浮かぶのは浅田さんの最後のスパイラル。

ああ、スカッとした。

 

「交響曲第5番」チャイコフスキー

もはや力尽き(というか満足して)聴いていたら、最後に聞き覚えのある展開が待っていた。

リバーサルオーケストラだ。

がけっぷちのオーケストラが仲間とのきずなを深め、曲に向き合っていくドラマだった。

そこで重要な役割を果たす「チャイコン」

ドラマで聴いたのより、ずっと闊達で、走り抜けた。

ティンパニが重要と言っていたのがよくわかる、ドラマチックな響きで、華やかにフィナーレだ。

 

ちなみに、ラフマニノフのあとに、辻井さんのアンコールがありました。

リストの超絶技巧「ラ カンパネラ」だ。上方からの観覧で、舞い踊る辻井さんの指がよく見えました。

ひとつ前の列に座ったヤングな長い黒髪三姉妹?が乗り出すように見入っていたのが印象的でした。

 

オーケストラのアンコールは、ショスタコーヴィチ「セカンドワルツ」

そうだ、ほかのホールではショスタコーヴィチの演奏していたんだ。

この甘やかで物悲しいワルツは、アイスダンスのドムニナ&シャバリンが、

繰り広げた古き良き時代の恋愛のダンスなのでした。大好きでした。

 

もう1曲。All You need is love。最初わかりませんでした。

途中で手拍子したりして。ああ、このオーケストラは、リヴァプールと名がついていました。

ビートルズですね。早く、愛が地球を救うといいのにね。