2024年1月14日

今月、槇村さとるさんの展覧会に行くのです。

子どものころ、少女のころ、別冊マーガレット=別マを愛読しておりました。

その中でも槇村さんの描くフィギュアスケートの世界が大好きで、

今でも単行本を持っている。

「愛のアランフェス」

突然現れた天才少女、森山亜季実と、挫折を経験した黒川貢がペアを組む物語。

第1巻は1979年の発行だ。

そんな時代から、黒川は3回転半、4回転にチャレンジしている。

亜季実の父は伝説のスケーター、彼が4回転の時代を予想しているのがすごい。

ああ、今まさに、そんな時代がやってきている。

 

私がこれを読んでいた時代は、伊藤みどりの時代と重なります。

ちなみに亜季実も3回転半を飛んでいる。しかもプログラムの最後に!

NHK杯が放送され、現実とマンガの世界が相まって、

フィギュアの世界にはまっていきました。

今もはまっています。

 

ペア競技には、フィギュアスケートの技術の全てが含まれます。

ジャンプ、スロージャンプ、ツイストリフト、リフト、スピン、ステップ。

だから、少女ヒロミはペアがフィギュアの中で、最高峰のものと思っていました。

ところが、日本では、全く盛んではない・・・

今の競技では、アイスダンスにツイズルとか、コレオのエレメンツとかも増えている。

そういうのも、ペアでも取り込んでいるよね。

この物語では、開脚のルッツというものが出てくるけど、それはどうなんだ?

体操競技に引っ張られているか?

私としては、スロージャンプのあとにコンビネーションとか、つけられないか?

と思うんですけどね。

 

森山&黒川ペアは、惹かれ合い、それがあだとなって、いったん別れてしまいます。

でも成長したふたりは、素晴らしい「アランフェス」を創り上げる・・・

 

ふたりを支える登場人物も、みんな素敵なんだよね。

シングルのスター選手、筒美は金髪のロングヘアで、母がフランス人、

まるでペイゼラー様のよう。黒川の親友で、すごく面倒見がいい。

物語の最後には、姫こと貝谷さんとアイスダンスのカップルを結成するという、

まるで高橋さんみたいなストーリー。

ライバルのペアは、ソ連からやってくる、ベレズナヤ選手のようなかわいい人。

さらに、スケート連盟、沢田会長は、国際大会の初開催に尽力し、その大会を見ずに亡くなってしまう。

切ない。

その沢田カップで、森山&黒川はペアとしての最高の演技を見せる、泣かせるラストなのでした。

アランフェス。

子どものころはどんな曲かも知らずに、このマンガを愛読していました。

でも、それが、本田武史くんがソルトレイクで滑り、

なんとジュベールさんも、ソチで、選手としての最後のプログラムがそれだった。

 

そういう縁のある、アランフェスでした。