京都、冬の旅。http://www3.ocn.ne.jp/~hirono1/maiko.gif
京都、冬の旅。
 
もちろんノンフィクションです。(一部)
1年ぶりに京都にやってきた。ああ、思い出すと辛い。マサヒコ、今でも好きだよ。また一緒に来たかった。前来たときは夏だったね。ひろみは一人へばっていたのを笑っていた。でも。今は。紅葉の時も過ぎ、静かに冬に向かっている・・・
でも、今回ひろみには案内人がいる。
 
マイコのモデルは長野市のHMさん28歳。
 
 
 
 
案内人
案内人というのはおかしいかな?彼も一足先に京都に来ているだけ。彼とは、今年の2月にソルトレイクで知り合った。
ひろみは、マサヒコのことがやっぱり心配で、ソルトレイクまで行ってしまった。遠くから見ているだけだったけど。そして結果は芳しくなくて。一人泣いていた。そんなときに出会ったのはタケシだった。彼は周りの騒音には耳を貸さず、つよい意志を持ってやってきていた。そして最高の結果を残した。ひろみよりずいぶん年下で、いつもブランドものを身につけていて、趣味は買い物だって。でも英語は得意だし、考えも大人だった。長野から来たの、というひろみに、じゃあ3月に長野に行くから、案内して?なんて無邪気に。
そのお返しに、京都を案内してくれるという。彼は東北出身だ。案内なんてできるのお?というひろみに、もちろん、僕の方がずっと世界をまわっているもん、任せてよ。などと言って。
待ち合わせ
京都駅に着いた。「新幹線の改札をでて、人の流れに身を任せてくると、長い通路にでて、その途中にいるから」などというよくわからない待ち合わせ。そんなんで巡り会える?不安だったけど。でも、そこにタケシはいた。
「ぴろちゃんは、いつもマイゴになる名人だから、会えないかと思ったけど。ちゃんと来たね?」そこまで言わなくても。(きたことあるもん。マサヒコと)
「どこに行きたい?どこでも連れて行くよ?」「車?なわけないよね。」「うん。地下鉄。」そういうところが好きなんだけどね。ひろみの大きいカートは持ってくれて。「重いねえ」「だって、タケシの写真撮るんだもん」「そお?転んだところは撮らないでよ。」「転ばないの!」
でも今回タケシは腰を痛めている。ちょっと不安。でも。わざわざ来てくれてありがとう。
「京都駅に、大きいツリーがあるんだ、見る?でも帰りに一緒に見た方がいいよね。」「うん」「じゃあ、南禅寺」
(夏と同じだ)
南禅寺
http://www3.ocn.ne.jp/~hirono1/k2001.gif京都駅から地下鉄で、南禅寺へ向かう。蹴上駅から徒歩5分。冬の京都は寒いと思ったけど、実は割と暖かい。厚着すぎるわたし。ねえ、そんなカッコで暑くない?タケシに聞く。福島出身の彼もけっこう着込んでるけど。これでコーディネートしてるんだよ。おしゃれね。こんなおおざっぱなかっこできたひろみの相手を、させてごめんなさい。
三門をくぐると、目に鮮やかなもみじの赤。紅葉の季節は終わっている。でもまだその名残が。ひろみは、切り取られる美しさが好き。最近そう思う。美術館の絵は額縁で切り取られ、外の風景は窓で切り取られる。そして、ここにも。門で切り取られた、庭の景色。そういうことをタケシに話すと、ぴろちゃんは芸術家だねえ、などという。そうなりたいけど。ドラ・マールになりたいの。でも、タケシの方が芸術家。世界に認められている。
(夏来たときは、さるすべりが鮮やかだった)
水路閣
http://www3.ocn.ne.jp/~hirono1/k1001.gif南禅寺の裏手にある水路閣。まわりの木々は紅葉の時を過ぎ、すこし散っている感じ。ひろみはレンガづくりのアーチがお寺の境内とは思えない雰囲気でなんか好き。明治時代に、琵琶湖疏水から水道をひいてきた、それの名残り。いまでも水は通っているのだ。記念写真は撮らなかった。(悲しくなるから)
なんだか「古都」京都とはちょっとちがうねえ、と感心するタケシ。タケシもそう思う?ちょっと、ローマっぽくない?それは、いいすぎー。そおお?だって木が日本だよー。なんて、話していれば悲しくない。
京都国立近代美術館
ぼくは、練習があるから、今日は戻るよ。ぴろちゃん荷物多いけど大丈夫?
うん、重いのには慣れてるのよ。これから、近代美術館に行ってみる。なんか、ひろみを呼んでいる気がするから。
そう?じゃあ、また明日の朝。早くてもいい?連絡するよ。
ありがと。がんばってね。
てなわけで。(以後アートのページと同じですが)
京都国立近代美術館がわたしを呼んでいました。どんな展示をしているかも知らずにガイドブックを見ていたらなぜか行かねば、と思いました。スーツケースを引きずって美術館まで行きました。
すると、「ヘルマン・ムテジウスとドイツ工作連盟」で、わけわかんないけど入りました。興味深かったです。
ムテジウスという人は建築家で、一時期日本にもいた人だそうです。彼の言説からドイツのデザインを再構築しようという意図の展示会だそうです。で、なにが展示してあったかというと、建築物の平面図とか、パース(というのでしょうか?)とか、いすとか食器とか。あとは照明器具、壁紙。などなど。展示室をぶらぶらしているうちに、「室内芸術」という概念がひろみを襲いました。わたしが最近惹かれるもの。フォルムのきれいないす。デザインのステキなベッド。それから不思議な構造のらせん階段。そういった全てのものを突き詰めていくと「室内芸術」となるのでしょうか?室内全てが芸術になりうる?そういうことに気がつきました。
ケトルコレクション(お湯が沸かせるのです、でもやかんにコンセントがついている、だけのものだ)はなんと豊田市美術館(わたしのお気に入り)でした。おそるべし。ドアのノブもそうでした。こんなものまで収蔵品なんて。すごいです。難しかった。知らなかった。でもどきどきした。楽しかったです。
試合
ホテルから、京都アクアリーナまではバスと電車で約40分。京都のはずれですな。今日の試合は、男子SP、アイスダンスフリー、女子フリー、という順で。
腰を痛めているというタケシは、ちょっと痛々しかったけど、それなりにばしっと決めて、首位にたった。フラメンコ風の音楽と、ステップがめちゃくちゃかっこよくて、ほれぼれした。ステップと言えば、ヤグディン、そしてキャンデロロさまのダルタニアンだけど、タケシ、いつからこんなにうまくなったの?大丈夫、明日もがんばって。
運命のダダダーン
家のビデオは、フィギュアでいっぱいで、撮る余地がなかったので、急いで帰ってテレビを見た。「運命のダダダダーン」間にあった。それはもう、何度も何度も見ている光景。そんなものを見るために。マサヒコの復活物語。ひろみは、それを思っただけで涙が出る。リレハンメルの失速と、長野の大ジャンプ。金メダルの陰にテストジャンパーの活躍があったことはもちろん知っているよ。でもとりあげられるのは、マサヒコの僚友西方くん(リレハンメルで銀メダル、でも長野ではテストジャンパー)ばかり。
長野オリンピックジャンプ団体戦、ファーストラウンド、マサヒコの失速のせいで4位の日本は天気が悪かろうが、ここで中止にするわけに行かない。テストジャンパーが飛ばなければ。距離を伸ばして、大丈夫、続行、ということにしなければ。
高橋竜二くん(耳が不自由)が、マサヒコにあこがれていたとは知りませんでした。オリンピックの直前にブレイクしてマサヒコを破って優勝した高橋くんはテストジャンパーに起用された。もちろん、マサヒコの悲劇もしっている。彼は、試合再開の決め手となる大ジャンプ、131mを飛んだ。もちろん記録には残らない。ありがとう、選手としてでたかったでしょうね、みんなみんな。マサヒコは、みんなで取った金メダルと言っています。ありがとう、すべての人に。
清明神社
朝早く、携帯に電話が。タケシから。「いま清明神社にいるんだよ、ホテルから近いでしょ、おいでよ。」まだ寝ているゆうこちゃんをそっとして、ひとりでかけてしまう。女の友情はもろいねえ。あとで電話するからねえー。
清明神社は、徒歩5分。映画の陰陽師で有名になったところだ。印が星なのだ。映画は見てないけど、安倍清明を野村万斎(こんな字?)が演じてよかったらしいです。
「ねえ、こういうやつをフリーで滑るっていうのはどうだろうか?」
「うーんー、エキシビならいいかなあ、イリヤの忍者に対抗してさ。でもぼくだってそれに近いのやってたよ。和風で、黒い服に、白い帯とかさ。」
「ああー、タケシはやっぱり王子さまの後継者だよ。うん、そうだった。」
「なにそれ。」
「うん、姿勢のよさがね、王子様っぽい。プルシェンコとかヤグディンはあんまりクラッシックとか滑らないじゃない。だからタケシが王子様。」
「でも今年はミイラなんだよなー」
「ミイラ?ヤマトくんがやったあれ?」
「そう。なんでかなー、まあ、今日みてて?そういえば、ヤマトファンの彼女は?」
「ゆうこちゃん?置いて来ちゃった。」
「ひでえなー」
ああ、これのどこが「清明神社」の話?でも、運気上昇しそうな矢印と星マーク入りのお守りをタケシにプレゼントしたよ。
上賀茂神社
http://www3.ocn.ne.jp/~hirono1/k3001.gifバスに乗って上賀茂神社へ。バス停を降りたところに喫茶店。朝ご飯もまだでした。モーニングセットを頼む。普通の喫茶店なのに、客層が、なんていうか、競馬関係者。ジャージーなんか着て、スポーツ新聞を熟読している。京都競馬場が近いのかしら。その新聞に載っている、タケシがここにいるんだけど、気づかないかーい??
境内は広々としている。やはり紅葉を見るにはやや遅い。何て言うのでしょうか。盛り塩のように、砂が三角錐の形に盛ってある。お浄めの塩?そして、本殿の方からは、神主さん御一行が。整然と、ざっ、ざっ、と行進していく。草履じゃなくて沓、なのですね。平安時代にタイムスリップしたような光景。ここは、カラスが、ナントカノミコトを案内したとかいう伝説があることから、安全飛行の神様とされています。
「ぴろちゃん、何を願った?」
「うーん、秘密だよー」(ホントはタケシの優勝と、マサヒコの安全飛行を願ったのさ)
がしかし。また、お守りを買っていたら、タケシに見つかってしまった。
「それって、もしかして、ハラダさんの為に買ったの?ふたつも?」
「そうだよ。・・ひとつは・・おそろいにしようと・・・」
「だって、ヤツは、ぴろちゃんを振ったんだろー?なんでそれなのに、そんなに心配するの?」
「だって・・」
「もー!!ムカツクよ!!帰る!!」
ああーん、またしても。
試合
今日の試合は、男子のみ。そのあとは、エキシビジョン。タケシ。ちゃんと帰ったの?
はっきり言って、今回はライバルはいない。ジェフリー?リ・チャンギ?目じゃないねっていう感じだったのに。なんと、タケシは転んだ。4回転ができない。ステップはすばらしかったよ。でもなんか表情は冴えなくて。後半は持ち直した。そこは成長したよね。でも。イリヤ・クリムキン。ロシアの4番手。両方向スピンが売りの選手。負けちまったよ。なんで?怪我のせい?それとも?クリムキンなんて、エキシビの音楽も衣装も用意してないんだよ?そんなヤツに!!!ああ。
マール・ブランシュ
その後タケシとは音信不通です。帰りに一緒に京都駅のツリー見ようっていったのに。ひとりなのさ。もう、やけ食いで、マールブランシュでケーキ食ってやる!!このお店は、白川に本店があって、モンブランで有名なところです。でもひろみはいちごの数が多いヤツにする。(ケーキを選ぶ基準はそれだ)
京都って縁起悪いのかしら?

もちろんノンフィクションです。(一部)

1年ぶりに京都にやってきた。ああ、思い出すと辛い。マサヒコ、今でも好きだよ。また一緒に来たかった。前来たときは夏だったね。ひろみは一人へばっていたのを笑っていた。でも。今は。紅葉の時も過ぎ、静かに冬に向かっている・・・
でも、今回ひろみには案内人がいる。

マイコのモデルは長野市のHMさん28歳。

案内人
案内人というのはおかしいかな?彼も一足先に京都に来ているだけ。彼とは、今年の2月にソルトレイクで知り合った。
ひろみは、マサヒコのことがやっぱり心配で、ソルトレイクまで行ってしまった。遠くから見ているだけだったけど。そして結果は芳しくなくて。一人泣いていた。そんなときに出会ったのはタケシだった。彼は周りの騒音には耳を貸さず、つよい意志を持ってやってきていた。そして最高の結果を残した。ひろみよりずいぶん年下で、いつもブランドものを身につけていて、趣味は買い物だって。でも英語は得意だし、考えも大人だった。長野から来たの、というひろみに、じゃあ3月に長野に行くから、案内して?なんて無邪気に。
そのお返しに、京都を案内してくれるという。彼は東北出身だ。案内なんてできるのお?というひろみに、もちろん、僕の方がずっと世界をまわっているもん、任せてよ。などと言って。
待ち合わせ
京都駅に着いた。「新幹線の改札をでて、人の流れに身を任せてくると、長い通路にでて、その途中にいるから」などというよくわからない待ち合わせ。そんなんで巡り会える?不安だったけど。でも、そこにタケシはいた。
「ぴろちゃんは、いつもマイゴになる名人だから、会えないかと思ったけど。ちゃんと来たね?」そこまで言わなくても。(きたことあるもん。マサヒコと)
「どこに行きたい?どこでも連れて行くよ?」「車?なわけないよね。」「うん。地下鉄。」そういうところが好きなんだけどね。ひろみの大きいカートは持ってくれて。「重いねえ」「だって、タケシの写真撮るんだもん」「そお?転んだところは撮らないでよ。」「転ばないの!」
でも今回タケシは腰を痛めている。ちょっと不安。でも。わざわざ来てくれてありがとう。
「京都駅に、大きいツリーがあるんだ、見る?でも帰りに一緒に見た方がいいよね。」「うん」「じゃあ、南禅寺」
(夏と同じだ)
南禅寺
http://www3.ocn.ne.jp/~hirono1/k2001.gif京都駅から地下鉄で、南禅寺へ向かう。蹴上駅から徒歩5分。冬の京都は寒いと思ったけど、実は割と暖かい。厚着すぎるわたし。ねえ、そんなカッコで暑くない?タケシに聞く。福島出身の彼もけっこう着込んでるけど。これでコーディネートしてるんだよ。おしゃれね。こんなおおざっぱなかっこできたひろみの相手を、させてごめんなさい。
三門をくぐると、目に鮮やかなもみじの赤。紅葉の季節は終わっている。でもまだその名残が。ひろみは、切り取られる美しさが好き。最近そう思う。美術館の絵は額縁で切り取られ、外の風景は窓で切り取られる。そして、ここにも。門で切り取られた、庭の景色。そういうことをタケシに話すと、ぴろちゃんは芸術家だねえ、などという。そうなりたいけど。ドラ・マールになりたいの。でも、タケシの方が芸術家。世界に認められている。
(夏来たときは、さるすべりが鮮やかだった)
水路閣
http://www3.ocn.ne.jp/~hirono1/k1001.gif南禅寺の裏手にある水路閣。まわりの木々は紅葉の時を過ぎ、すこし散っている感じ。ひろみはレンガづくりのアーチがお寺の境内とは思えない雰囲気でなんか好き。明治時代に、琵琶湖疏水から水道をひいてきた、それの名残り。いまでも水は通っているのだ。記念写真は撮らなかった。(悲しくなるから)
なんだか「古都」京都とはちょっとちがうねえ、と感心するタケシ。タケシもそう思う?ちょっと、ローマっぽくない?それは、いいすぎー。そおお?だって木が日本だよー。なんて、話していれば悲しくない。
京都国立近代美術館
ぼくは、練習があるから、今日は戻るよ。ぴろちゃん荷物多いけど大丈夫?
うん、重いのには慣れてるのよ。これから、近代美術館に行ってみる。なんか、ひろみを呼んでいる気がするから。
そう?じゃあ、また明日の朝。早くてもいい?連絡するよ。
ありがと。がんばってね。
てなわけで。(以後アートのページと同じですが)
京都国立近代美術館がわたしを呼んでいました。どんな展示をしているかも知らずにガイドブックを見ていたらなぜか行かねば、と思いました。スーツケースを引きずって美術館まで行きました。
すると、「ヘルマン・ムテジウスとドイツ工作連盟」で、わけわかんないけど入りました。興味深かったです。
ムテジウスという人は建築家で、一時期日本にもいた人だそうです。彼の言説からドイツのデザインを再構築しようという意図の展示会だそうです。で、なにが展示してあったかというと、建築物の平面図とか、パース(というのでしょうか?)とか、いすとか食器とか。あとは照明器具、壁紙。などなど。展示室をぶらぶらしているうちに、「室内芸術」という概念がひろみを襲いました。わたしが最近惹かれるもの。フォルムのきれいないす。デザインのステキなベッド。それから不思議な構造のらせん階段。そういった全てのものを突き詰めていくと「室内芸術」となるのでしょうか?室内全てが芸術になりうる?そういうことに気がつきました。
ケトルコレクション(お湯が沸かせるのです、でもやかんにコンセントがついている、だけのものだ)はなんと豊田市美術館(わたしのお気に入り)でした。おそるべし。ドアのノブもそうでした。こんなものまで収蔵品なんて。すごいです。難しかった。知らなかった。でもどきどきした。楽しかったです。
試合
ホテルから、京都アクアリーナまではバスと電車で約40分。京都のはずれですな。今日の試合は、男子SP、アイスダンスフリー、女子フリー、という順で。
腰を痛めているというタケシは、ちょっと痛々しかったけど、それなりにばしっと決めて、首位にたった。フラメンコ風の音楽と、ステップがめちゃくちゃかっこよくて、ほれぼれした。ステップと言えば、ヤグディン、そしてキャンデロロさまのダルタニアンだけど、タケシ、いつからこんなにうまくなったの?大丈夫、明日もがんばって。
運命のダダダーン
家のビデオは、フィギュアでいっぱいで、撮る余地がなかったので、急いで帰ってテレビを見た。「運命のダダダダーン」間にあった。それはもう、何度も何度も見ている光景。そんなものを見るために。マサヒコの復活物語。ひろみは、それを思っただけで涙が出る。リレハンメルの失速と、長野の大ジャンプ。金メダルの陰にテストジャンパーの活躍があったことはもちろん知っているよ。でもとりあげられるのは、マサヒコの僚友西方くん(リレハンメルで銀メダル、でも長野ではテストジャンパー)ばかり。
長野オリンピックジャンプ団体戦、ファーストラウンド、マサヒコの失速のせいで4位の日本は天気が悪かろうが、ここで中止にするわけに行かない。テストジャンパーが飛ばなければ。距離を伸ばして、大丈夫、続行、ということにしなければ。
高橋竜二くん(耳が不自由)が、マサヒコにあこがれていたとは知りませんでした。オリンピックの直前にブレイクしてマサヒコを破って優勝した高橋くんはテストジャンパーに起用された。もちろん、マサヒコの悲劇もしっている。彼は、試合再開の決め手となる大ジャンプ、131mを飛んだ。もちろん記録には残らない。ありがとう、選手としてでたかったでしょうね、みんなみんな。マサヒコは、みんなで取った金メダルと言っています。ありがとう、すべての人に。
清明神社
朝早く、携帯に電話が。タケシから。「いま清明神社にいるんだよ、ホテルから近いでしょ、おいでよ。」まだ寝ているゆうこちゃんをそっとして、ひとりでかけてしまう。女の友情はもろいねえ。あとで電話するからねえー。
清明神社は、徒歩5分。映画の陰陽師で有名になったところだ。印が星なのだ。映画は見てないけど、安倍清明を野村万斎(こんな字?)が演じてよかったらしいです。
「ねえ、こういうやつをフリーで滑るっていうのはどうだろうか?」
「うーんー、エキシビならいいかなあ、イリヤの忍者に対抗してさ。でもぼくだってそれに近いのやってたよ。和風で、黒い服に、白い帯とかさ。」
「ああー、タケシはやっぱり王子さまの後継者だよ。うん、そうだった。」
「なにそれ。」
「うん、姿勢のよさがね、王子様っぽい。プルシェンコとかヤグディンはあんまりクラッシックとか滑らないじゃない。だからタケシが王子様。」
「でも今年はミイラなんだよなー」
「ミイラ?ヤマトくんがやったあれ?」
「そう。なんでかなー、まあ、今日みてて?そういえば、ヤマトファンの彼女は?」
「ゆうこちゃん?置いて来ちゃった。」
「ひでえなー」
ああ、これのどこが「清明神社」の話?でも、運気上昇しそうな矢印と星マーク入りのお守りをタケシにプレゼントしたよ。
上賀茂神社
http://www3.ocn.ne.jp/~hirono1/k3001.gifバスに乗って上賀茂神社へ。バス停を降りたところに喫茶店。朝ご飯もまだでした。モーニングセットを頼む。普通の喫茶店なのに、客層が、なんていうか、競馬関係者。ジャージーなんか着て、スポーツ新聞を熟読している。京都競馬場が近いのかしら。その新聞に載っている、タケシがここにいるんだけど、気づかないかーい??
境内は広々としている。やはり紅葉を見るにはやや遅い。何て言うのでしょうか。盛り塩のように、砂が三角錐の形に盛ってある。お浄めの塩?そして、本殿の方からは、神主さん御一行が。整然と、ざっ、ざっ、と行進していく。草履じゃなくて沓、なのですね。平安時代にタイムスリップしたような光景。ここは、カラスが、ナントカノミコトを案内したとかいう伝説があることから、安全飛行の神様とされています。
「ぴろちゃん、何を願った?」
「うーん、秘密だよー」(ホントはタケシの優勝と、マサヒコの安全飛行を願ったのさ)
がしかし。また、お守りを買っていたら、タケシに見つかってしまった。
「それって、もしかして、ハラダさんの為に買ったの?ふたつも?」
「そうだよ。・・ひとつは・・おそろいにしようと・・・」
「だって、ヤツは、ぴろちゃんを振ったんだろー?なんでそれなのに、そんなに心配するの?」
「だって・・」
「もー!!ムカツクよ!!帰る!!」
ああーん、またしても。
試合
今日の試合は、男子のみ。そのあとは、エキシビジョン。タケシ。ちゃんと帰ったの?
はっきり言って、今回はライバルはいない。ジェフリー?リ・チャンギ?目じゃないねっていう感じだったのに。なんと、タケシは転んだ。4回転ができない。ステップはすばらしかったよ。でもなんか表情は冴えなくて。後半は持ち直した。そこは成長したよね。でも。イリヤ・クリムキン。ロシアの4番手。両方向スピンが売りの選手。負けちまったよ。なんで?怪我のせい?それとも?クリムキンなんて、エキシビの音楽も衣装も用意してないんだよ?そんなヤツに!!!ああ。
マール・ブランシュ
その後タケシとは音信不通です。帰りに一緒に京都駅のツリー見ようっていったのに。ひとりなのさ。もう、やけ食いで、マールブランシュでケーキ食ってやる!!このお店は、白川に本店があって、モンブランで有名なところです。でもひろみはいちごの数が多いヤツにする。(ケーキを選ぶ基準はそれだ)
京都って縁起悪いのかしら?