化学結合について
【原子間・イオン間で働く引力】
共有結合 … 非金属原子どうしをつなぐ結合。1:1で電子を共有する。
配位結合 … 2:0で電子を共有する。一方の原子が2電子を用意します。
イオン結合 … 金属原子と非金属原子どうしをつなぐ結合。一価の陽イオンであるアンモニウムイオンは例外的に非金属。
金属結合 … 金属原子どうしをつなぐ結合。原子間には自由電子が。
【分子間力】
ファンデルワールス力 … すべての分子に働く弱い引力。
極性引力 … 極性分子どうしに働く引力。
水素結合 … F,O,Nと直接結合したHを含む分子どうし働く引力。
<化学結合の強さの比較>
一般に、共有結合(配位結合)> イオン結合 > 金属結合 >> 分子間力
分子間力の中では、
水素結合 > 極性引力 > ファンデルワールス力
一般に分子量が大きい程ファンデルワールス力は大きくなるため沸点、融点が大きくなります。水素結合が強い場合も沸点、融点が高くなります。水素結合の強さはファンデルワールス力より大きく、たとえばHFでは(Fは電気陰性度が高く極性が大きくなり)分子間の水素結合が強くはたらくため、分子量は小さいのにより分子量の大きなハロゲン化水素より沸点、融点が高くなります。
ハロゲン化水素の沸点、融点 HF>HI>HBr>HCl
次の化学式で表される各結晶がある。その中に含まれる結合をすべて書け。
(1) CH3OH (2) He (3) Cu (4) NH4Cl (5) NaOH (6) SiO2 (7) Ag2O
【解答】
(1)共有結合;水素結合、ファンデルワールス力
(2);ファンデルワールス力
(3)金属結合
(4)イオン結合,共有結合,配位結合
(5)イオン結合,共有結合
(6)共有結合
(7)イオン結合
【解説】
(1)炭素原子、水素原子、酸素原子が共有結合して分子を形成します。分子同士にはファンデルワールス力の他、-OH基が存在するため水素結合も生じます。
(2)希ガスはすべて単原子分子として存在し、ファンデルワールス力だけで集合して分子結晶を形成しています。
(3)金属単体なので金属結合を生じます。
(4)NH4+とCl-がイオン結合することで形成されたイオン結晶です。ただし、NH4+には、共有結合と配位結合が含まれています。
(5)Na+とOH-からできたイオン結晶ですが、水酸化物イオンOH-はOとHの間の共有結合により構成されています。
(6)Si原子、O原子のすべてが共有結合のみで構成された共有結晶です。このような共有結晶として他にC、Si、SiCがあります。
(7)Ag+とO2-からできたイオン結晶です。「水酸化物イオン」はよくみかけますが、「酸化物イオン」というのはややなじみがないため注意が必要です。
なお結晶は、イオン結晶・金属結晶・分子結晶・共有結晶に分類されます。
たんぱく質は多くのアミノ酸が結合したものですが、長くなると一本鎖では不安定で、らせん状になったり折りたたまれたりしています。らせん状(αへリックス)になれるのは、たんぱく質内で >C=O(δ-)⇔(δ+)HN< といった風に水素結合しているためです。このように水素結合は一分子内でも働いていることがあります。
4種類の塩基が配列しているデオキシリボ核酸(DNA)では二重らせん構造をつくっていますが、たんぱく質をつくるためmRNAが情報を転写する際、二重らせんのジッパーの一部が開かなければなりません。ここても水素結合がはたらいており、ジッパーを閉じています。水素結合が弱過ぎることもなく強過ぎることもなく、つかず離れずの状態を維持しているからこそ、立体構造が一定の形で安定化し、また必要に応じて自由自在に変化できるのです。
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