10月になりました。
朝の空気がすこしだけひんやりして、
ベランダに出ると金木犀の香りが
ふっと届きます。
思わず深呼吸をして、カップに注いだ
白湯がいつもよりおいしく感じられました。
長かった夏を越えて、ようやく体も心も
「落ち着く場所」を探している感じがします。
9月は整える月。10月は、整えた心で
少しだけ動き出す月。
大きくは望まず、でも確かに一歩、そんな
歩幅がしっくりきます。
夕方の空が早く色を変えるようになって、
時間の流れが目に見える季節。
忙しさに流されがちな日々の中でも、
ほんの短い“静かな時間”を自分に手渡して
あげたいと思います。
たとえば、朝いちばんの深呼吸を3回。
エレベーターを待つ間に首と肩を回す。
寝る前にスマホを置いて、湯のみを両手で包む。
どれもささやかなことですが、私の日の
輪郭をやさしく整えてくれます。
「やらなきゃ」をそっとゆるめて、
「いまの自分にできること」をひとつだけ。
今日は洗濯物をていねいにたたむ。明日は
机の上を5分だけ片づける。
週のどこかでお気に入りのスープを作る。
そんな“小さな前向き”の積み重ねが、気づけば
気持ちの背中を押してくれます。
季節が深まるほど、心も少しずつ深呼吸が
上手になるはず。
寂しさや不安が顔を出す日もありますが、
その気持ちを否定せず、隣に座らせておく
イメージで一緒に過ごしてみます。
抱えたままでも前に進める――そう思える
だけで、肩の力が少し抜けました。
新しい月の始まりに。
自分のペースで、静かに、やわらかく。
10月が、皆さまにとってもやさしい時間で
満たされますように。
