6月に入って、少しずつ空の色が変わってきた。
雲のかたちも、風の肌ざわりも、どこか輪郭がぼやけてきて――
ああ、梅雨が近づいてるんだなと、身体の奥が先に気づいていた。
5月のやわらかさが抜けて、
世界が少し湿り気を帯びるこの時期。
気圧のせいか、心もなんとなく重たい日がある。
起きるのが少し遅くなったり、
いつもよりも人の言葉が心に入ってこなかったり、
予定の一つひとつが、ちょっとだけ億劫に感じられたりする。
でも、それは悪いことじゃない。
むしろ、自然なことだと思っている。
人の心もまた、季節と一緒に呼吸しているから。
晴れの日があれば、曇りの日もあって当然。
すべてがはっきりしなくても、すべてに意味を持たせなくてもいい。
6月は、「曖昧さ」とうまく付き合う練習の月。
正しさでも、速さでもなく、
“いまの自分”をただ受け入れる、その静かな強さを育てる時間。
今日も、雨は降っていないけれど、空気が湿っている。
でも、その湿り気が、
少し冷たくなった心を、そっと包んでくれている気がする。
焦らずにいこう。
完璧じゃなくても大丈夫。
たどたどしくても、今日をちゃんと歩いている。
深く息を吸って、ゆっくりと吐いてみる。
それだけで、少し整う。
それだけで、今日という日に“居場所”ができる気がしている。
