薫風の茶花便り ~ 五月のベランダから | 【ブログ】裏千家 シュミネ茶道教室 || 大阪・心斎橋 || 西田宗佳

【ブログ】裏千家 シュミネ茶道教室 || 大阪・心斎橋 || 西田宗佳

大阪・心斎橋駅上がってスグの「シュミネ茶道教室」。
お稽古や教室の様子、茶の湯周りのことや、西田宗佳の歳時記・日常なども、生徒の皆さんに読んでもらえるよう徒然書いています。

令和2年(2020年)5月18日
 
皆さん、こんにちは!
シュミネ茶道教室の西田宗佳です。
 
今日は久しぶりに「茶花便り」をお届けします。
5月に入って陽射しも強くなり、ベランダの植木の土もすぐ乾くようになってきました。
水をゴクゴクとよく飲み、日光を浴びてニョキニョキと葉を増やし、たくましく生い茂ろうとする生命力を感じます。
 
↓) こちらは少し前ですが、4月に咲いていた「紫蘭」(シラン)。
鮮やかな緑の葉と、可憐な紫の花とのコントラストが美しいですね。
 
 
(↓〜 NHK出版「趣味の園芸」より引用〜)
 
紫蘭」(シラン)
鉢植えでも庭植えでも楽しめる、丈夫で育てやすいランの入門品です。ランと聞くと栽培が面倒と思われがちですが、この花ほど多くの人に愛され親しまれているランはありません。関東地方以西の本州、四国、九州の里山の土手や崖に生えるといわれますが、古くから植栽植物として親しまれているため、こぼれダネで増えたものも多く、いまだに野生種か植栽かの区別がつかず正確な分布は不明瞭です。
春になると、地下に連ねた扁平な地下球(偽球茎)からササのような葉茎を伸ばし、先端に赤紫色の華麗な花を咲かせます。晩秋には葉を落とし休眠します。結実するとタネを飛ばし、気づかぬうちに庭のあちらこちらから小苗が発芽していることがよくあります。
 
↓) 床に入れてみました。
蘭はその気品からして一凛でも十分な存在感。
まっすぐ背筋が通っているので、「真」に入れました。
一番格高い「真」に入れるということは、花入も「真」の唐銅か青磁に、薄板も「真塗の矢筈板」になります。
 
 
 
↓) こちらは「二人静」(ふたりしずか)
 
 
 花序が二本、寄り添って咲きます。これに対して「一人静」という花もあり、そちらは花序が一本です。
 
 
★「二人静」については今回考察も多く、この言葉や姿から広がる世界をぜひご紹介したいので、また後日特集してブログに書いてみる予定です。お楽しみに~。
 

↓) 「花筏」(ハナイカダ)
葉を筏(いかだ)にして、ちょこんと乗っているのが花ですが、地味です(笑)

 

 

「花筏」(ハナイカダ)~ ↓ネットからの引用
オスとメスの株に分かれた、雌雄異株(しゆう・いしゅ)の落葉性低木です。

一見、葉の上に花が乗っているようですが、実際は主脈と花の軸が癒着した結果そのように見えます。花色は淡い緑色で、5mmほどの地味な小ささですが、咲く位置がおもしろく比較的目立ちます。花が葉を筏(いかだ)に見立てて乗っているような姿から、ハナイカダ(花筏)の名前があります。

雌(メス)株は、花の後に黒い果実をつけます。暗闇の中でも目立ち、森の生き物たちが好んで食べるようです。

 
 
↓) 「コバノズイナ

昨年うちに来た植木ですが、丈夫に育って、たわわに花を付けてくれました。ベランダで一番元気です。

 
 
(↓~ネットからの引用~)
 

「コバノズイナ」は、アメリカ東部を原産とする、ズイナ科ズイナ属の落葉性低木です。日本には明治時代に渡来しました。花期は5月~6月で、枝先にブラシ状の花序を出し、小さな花を多数咲かせます。秋には美しく紅葉します。

漢字を当てると「小葉の髄菜」となり、日本に自生する同属のズイナより葉が小さいことから付けられました。「ズイナ(髄菜)」の名前は、枝の髄(ずい)が行灯の灯心に、若葉が食用にされたことから来ています。

 
↓) うちの愛猫・ブリたんと、ベランダのコバノズイナ。
 

 

↓) 風炉になりましたので、籠の花入の登場です。

「有馬籠」に、葉をあまり落とさずに「コバノズイナ」を入れてみました。

 

 

 
↓) 風炉の茶花の名脇役 「矢筈薄」(ヤハズ・ススキ)。別名「鷹の羽薄」(タカノハ・ススキ)とも言います。

 

 

 
↓) 左は「伊勢撫子」(イセ・ナデシコ)、右は「河原撫子」(カワラ・ナデシコ)。

 

 

 
↓) 「紫陽花」(アジサイ)も額が育ってきました。梅雨ももうすぐですね。
 

 
↓) もっと色々育てたいんですが、狭いベランダなので、なかなか鉢を増やせず困ってます。
あ~・・・、広い庭が欲しい。

 


 

↓) 今月、届け物をする機会があり、五月の季節の草花を干菓子で詰合せしてみました。

菖蒲(ショウブ)、菖蒲(アヤメ)、藤、水芭蕉、牡丹、土筆、青楓、青紅葉、観世水…。

ご製はいつもお世話になっている四天王寺の「河藤」さん。

箱詰めは心を込めて自分で盛り付けし、手紙を書いて、喜んでくださるだろうかと相手に想いを馳せます。

家で育てた花を床に荘るのも、菓子を盛り付けるのも、道具を用意するのも、普段の茶会や稽古での亭主の思いや手間暇は、いざ、会えない相手への進物に姿を変えても、やっていることは同じだなと思いました。

 

 

爽やかな季節、つかの間の薫風をこの箱から、またはブログの茶花便りから感じていただけたら幸いです。

 

 
 
◆◆◆ ========================

《 シュミネ 茶道教室 》

~大阪・心斎橋~

(裏千家: 西田 宗佳)

【URL】 http://cheminee-club.com

【TEL】 06-6252-0560

=========================◆◆◆