令和2年(2020年)4月9日:投稿
皆さん、こんにちは!
シュミネ茶道教室の西田宗佳です。
2月頃からコロナが騒がれ始め、3月には世界中で深刻になり、ついに日本も感染の勢い止まらず、先日4/7、史上初の「緊急事態宣言」が発出されました。特に東京・大阪は感染拡大が続いており、不要な外出もできず、百貨店・商業施設・娯楽施設、レストラン、どこも閉まっています。
うちの子(生徒さん)たちとも、春になっても会えないままで、みんなどうしてるだろうと思いを馳せています。
在宅勤務になったり、時差出勤になったり、大変な医療現場だったり、友達とも会えず、出かけず、これまでの日常とは違う、どんな毎日でしょうか?
私はというと、たまに職場(教室)に出て事務仕事する日もありますが、ほとんど家に引きこもる日が多くなっています。
↓)先週の近所の公園の桜
世間の騒ぎをよそに、パッと咲いて春を告げ、パッと誰を待つことなく散っていきました。
↓)近くのホームセンターで出会ったノラ猫。
辛い冬が終わり、ノラたちにとっても優しい春の季節に。
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さて、今日のブログは、知っておいてほしい春にピッタリの禅語をご紹介します。
■ 「柳緑花紅」
(やなぎはみどり、はなはくれない)
(~以下、ネットからの解説文を引用~)
「りゅうりょく かこう」とも読み、11世紀(宋の時)の中国の詩人・蘇軾(そしょく)の詩からの引用です。
物事が自然のままに、人の手を加えられていないことの例えで、柳は緑色をなすように、花は紅色に咲くように、この世のものは種々様々に異なっており、そこには価値の優劣もなく、それぞれに自然の理が備わっている、という意味です。
全てのものを客観的に捉え、ありのままを受け入れようという、詩的でありながら、非常に哲学的でもある言葉。
今の時期によくお茶会などで見かける禅語で、シンプルで分かりやすく、また覚えやすい。
ある日のお茶会で、本席の軸がこれだったので「あ~自分の知ってる言葉で良かった」と思ったのも束の間、なんだか荒々しく殴り書きのような力強いお筆で、よく見ると「不」の文字が二つも間に入っている…。
その時の私は、この禅語に否定形が存在するなんて知らなかったので、真っ向から自分の思い描いたものを否定され、「…?」と、とても驚きました。それが下の言葉です。
■ 「柳不緑花不紅」
(やなぎはみどりならず、はなはくれないならず)
(~以下、ネットからの解説文を引用~)
ありのままを当たり前に見ないという禅語も存在します。
柳はいつも緑色では無く、花も紅で無い時期もあるわけで、よくよく考えてみれば、一年を通して柳が緑で花が紅である期間なんて、ほんの数日の事です。それ以外はずっと芽吹くことなく、咲くことなく、我々の人生も一緒で、人生の春と思える時間など、悲しいかな全体から見ればほんの一瞬なのです。悩み苦しみながら「まぁしゃーない」と言って生きている時間の方が圧倒的に長いのです。ここのところを「柳緑花紅」を踏まえて言い表わすとするならば、「柳不緑花不紅」(柳は緑ならず、花は紅ならず)という解釈もできます。ただ、季節が巡れば再び美しい色で景色を彩どってくれる時が来る、と信じていたいものですね。
他にも、自分を肯定的に見るか否定的に見るかといった意味合いの解釈もでき、信じるときは信じきり、疑うところは疑う。徹底的に疑ったからこそ信じれるものもあるわけで・・・肯定と否定、二つの禅語の対比が面白く、どちらも真実です。
禅語って深くて面白いですね。
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マスクが手に入らず、暇なので、余っている晒の白布でチクチクとお裁縫して、手作り布マスクを作っています。
↓) 下の写真の、上2枚が最初のボツになった試作品。
型紙とかないから、どう作るのがいいのか分からなかったけど、試行錯誤して下の形に落ち着きました。
↓) こんな感じ。
↓) 願いを込めて、教室の床に「無事」の軸を掛けました。
まさかこの日本で、疫病との戦いに挑むことになるなんて、思いもしませんでした。
外出を制限し、家にこもり、一斉に経済活動・文化活動を止めざるを得ない日が来るなんて。
どうか皆さんの暮らしが、この後もご無事でありますように。
令和2年(2020年)4月9日:投稿
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