2000年 ドイツ/イタリア/アメリカ
監督: ロジャー・ヤング
キャスト: ジェレミー・シスト/ゲイリー・オールドマン/ジャクリーヌ・ビセット
タイトルのとおり、イエス・キリストの生涯の映画です。
聖母マリア役にジャクリーン・ビゼット。
日本未公開作品です。
この映画に関してはネタバレというのも関係ないでしょうから気にせず書きます。
宗教映画にしてはかなり大胆な脚色で、福音書でわかりにくいイエスの生涯がわかりやすく描かれています。
天と悪魔の戦いという部分がクローズアップされていてヨハネからバプテストを受けた後に悪魔から誘惑を受けるエピソードにも時間を割いて、
「サタンでさえ光の天使を装う」と聖書に書いてあいてあるようにいろいろな形で現れ誘惑しているところをわかりやすくしている感じです。
イエス像は神の子としてのイエスだけでなく人間イエスのところも、飲み食いして踊って騒いだりこれが救世主なのか?と思わされるところも脚色して描いています。
当時のローマとユダヤの背景を知らないとよくわからないかもしれないのですが
群衆の前で取税人マタイを優しく呼び寄せるシーンがあります。
取税人というのはローマに収めるための税をごまかしてしこたま儲ける悪人として忌み嫌われていた連中なので、ここでもなぜ「取税人を!?」
と群衆はほんとうにこれが救世主なのか?と思ってしまいます。
『デッドマン・ウォーキング』 ではこのようなイエスを
シスター・ヘレンが死刑囚マシューに
「イエスは危険人物だったのよ ・・・ イエスは悪党の仲間だったのよ」
と囁くシーンがあります。
イエスが親しくしている有名なマグダラのマリヤも遊女あがりですし。
そういえば 『最後の誘惑』 ではイエスは死なずにマグダラのマリアと結婚して子供までいたという大胆な設定でしたね。(キリスト教保守派からの抗議がすごく爆弾騒ぎにまでなったそうですが)
イエスをわなに陥れようとパリサイ人、ヘロデ党の者たちがイエスに
「カイザルに税金を納めることは律法に適っているのでしょうか。適っていないのでしょうか?」という質問をしたときに
銀貨を見せて、「これは、だれの肖像と銘か」と逆に質問をし、
彼らが「カイザルのものです」と言うと
「カイザルのものはカイザルに 神のものは神に返しなさい」
と答えたあとに、
神殿の境内に入り、売り買いしているものの台や腰掛けをひっくり返し
「我が家を強盗の巣にしてしまったのか」
と憤ったところをローマ兵たちが面白がって寸劇にして楽しんでいるシーンがあるように正義のためには激しい性格のところもクローズアップされています。
(劇にしているところは脚色)
「カイザルのものはカイザルに」という言葉は 『アイアンマン』 でも主人公トニーがジョークに使っていましたね。
なぜ、イエスが十字架の死を選んだのか、なぜ死んだのかという部分、悪魔がなぜあんなにもイエスを死なせまいとしているのかも描いているのですが、これはちょっと理解しにくいです。
死ぬことによって人類が救われるっていう部分ですね。
これは信仰の話だから理解しにくいものなのかな?
ユダヤ教ではまだ救世主(キリスト)を待っているわけだし
このイエスが死んだということに託けていくつかのカルト宗教がイエスは人類を救えなかったので、と新しい救世主をまつりあげたりしているのだし、
「信仰は目に見えないもの」であるだけにこの部分は理解しにくいのかもしれないな、と思ったりします。
実はまだ観てないので何ともいえないのですが先に紹介した『最後の誘惑』
のほうがこの辺りをわかりやすいのではないか?と勝手に想像してます。
ので近いうち観たい。
最後のの現代のシーンでの終わり方は私的にはちょっとがっくりでした。
全体的にはわかりやすかったので、この映画を観たあとで
『パッション』 を観るとすごくいい思います。
