【展覧会】24.5.1『印象派』展 | あるけみすとのつぶやき

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『印象派 モネからアメリカへ

―ウスター美術館所蔵―』展


◆会場:郡山市立美術館(福島)

◆料金:¥1500

◆音声ガイド:¥650

◆所要時間

企画展:11:00頃-12:15(約75分)

常設展:12:20-12:50(約30分)

◆会期末:〜6/23(日)

公式サイト





《雑感》

◆東京都美術館からの巡回展。東京展を見逃してたので、地元で見れてラッキーでした。ただし料金がぜんぜん違うので(東京展は当日券¥2200)、作品数が異なるのではと推測(会場も都美に比べれば狭いし)。ても、都美と同様の5章構成だったようです。


◆展示されていた作品は魅力的なものが多く、構成も分かり易かったと思います。第1章で印象派に影響を与えたバルビゾン派(ex.コロー)や写実主義(ex.クールベ)の作品を紹介し、第2章で(若干”旬“を外した印象の作品が見られたものの)モネ、ルノアール、シスレー、ピサロ、カサット等の印象派の作品に続きます(この章が一番の見どころかな?)。第3章では「国際的な広がり」で印象派から影響を受けたヨーロッパ以外の作家(”国際“と言いながら、殆どが国内美術館収蔵の日本人画家でしたが)の作品を紹介し、第4章〜第5章でアメリカ人作家の作品を紹介する構成でした。
◆ただ、この展覧会のメインタイトルを“印象派”と呼称するのは、個人的に違和感を感じました。少なくとも、一般の観客がイメージする“印象派の作品“は、第2章のものではないでしょうか。
◆印象派の定義を「印象派展に参加した画家」とすると、「“アメリカ”印象派」という呼称には違和感があります。また、チューブ詰め油絵具の登場による戸外作成とそれに伴う光の表現、筆触分割の手法を“印象派”の特徴とすれば、確かにその影響が見られる作品も見られましたが、戸外作成された風景画を持って”印象派“と括るのはやや乱暴に感じます(影響の有無はともかく、むしろバルビゾン派に近い印象の作品が多い印象)。むしろテン・アメリカン・ペインターズ(ザ・テン)の作家の作品群と括るのが適切なような気がします(ただ、集客的には…)。

◆音声ガイドの解説にも一部違和感があるものがありました。例えば、視覚混合の効果を目指しているとは思われない作品に対して、”新印象派の影響“と解説していた所がありました。逆に点描画法の作品に対して“印象派”と称した部分もありました。細かい筆触分割という類似点はあるものの、印象派と(スーラ、シニャックに代表される)新印象派では、筆触分割へのアプローチは全く異なると思います。


◆なお、「アメリカ印象派」はWikiが存在する様に、正式な用語のようです(ただし英文Wikiのみ)。