「天草五郎君」
平泉が言うと、教室の前の扉に一番近い席から、小さい男の子が立ち上がって、教卓に登った。クルッと90度回転し、みんなの方を向くと、かなりのイケメンであることが発覚した。
太陽は「数字が一つ増えた歴史上の人物」とナメてた矢先、イケメンであると分かると、とんでもないスピードで嫉妬心が湧いて出てきた。
イケメンはイケメンでも可愛いイケメン。千葉雄大、志尊淳を思い浮かべるといいかもしれない。
そのジャンルは圧倒的に、女の先輩に「可愛い❤️」と言ってもらう為にスキルを割り振っている、人間版トイプードルである。
「あーあ」太陽はこのジャンルを一番苦手としている。だって28歳でセブンティーンモデルやって、ドヤ顔で写真撮られて、カツラ被れば、そこらへんの女の子より可愛いと言われる。ここから分かる通り誰も褒めてないのだ。誰も褒めてないのに、調子にのる。褒められた気になっている。
「バカ!気づけ!お前らは、トイプードル……!つまり……犬……………!人間扱いされていない!尻尾を振って、舌を出し、肛門を丸出しにしている……犬!」
そんな忠告を心の中でしていたら、もうすでに天草五郎の自己紹介は終わっていた。