「工藤卍丸君」平泉のハスキーボイスの声から発せられた言葉に耳を疑った。
まん………じ?
脳内で平泉の声を5回リピートした瞬間、「うぅーーーすっ!!」と馬鹿でかい声をあげながら卍丸が立ち上がった。
右耳の鼓膜が震え上がってる間、太陽は卍丸がこの高校のスポーツ推薦枠で入学してきたことを察知した。声もそうだが、体格、頭、上履き、歩幅………何から何までデカイデカイ。そして名前が卍丸。。。名前負けしない奇跡…………
親は何者?地図記号の観点から見て、寺で何かしらやってる人?だとしたらもっと住職らしく慎め、子の名を。
住職じゃなく一般人だったら?ノリ?ノリの卍?2017年ちょっと流行った卍?このパンケーキまじ卍!
正解は迷宮入りだ。
前の教卓に立った卍丸は自己紹介を始めた。
「自分の名前は工藤卍丸っす!この高校ではラグビー部に入って、全国大会目指して頑張りたいっす!」
始めて聞いた他人の自己紹介だったが、太陽は自分が今からする自己紹介が、どれだけぶっ飛んでるのか、再確認できたようだった。しかし、その確認は太陽が[自分が個性を出してどれだけ人と違うと証明する事が出来る]という確認だ。決してマイナスではなく、大い にプラスだった。これはゆとり教育の集大成とも言えよう。
太陽の放送事故級の自己紹介は刻一刻と近づいていた。