cheeseです💕
今回ご紹介するのは
こちらの一冊📘
(内田洋子『見知らぬイタリアを探して』小学館、2023年)
内田洋子さんのエッセイ✨
彼女が描くイタリアは
私たちが抱いているイメージとは少し違う。
ステレオタイプではないイタリアを知りたくて
彼女の本が出版されるたびに
手にとってしまうcheese。
今回は「色」をテーマに綴られた15話。
パンデミックをはさんで
イタリア社会にはどんな変化がもたらされたのだろう🤔
🌸🌸🌸
cheeseの心に残ったのは
「紫」「オレンジ」
そして
「虹🌈」の3章。
これらの章に共通するのは
イタリアにおける外国人の話ということだ。
(ネタバレになってしまうので
これから本書を読まれる方は
どうぞご注意くださいませ🙇♀️)
「紫」で描かれるのは、
移民法が改正される前のイタリアの様子。
世界各国からの移民をうけいれるイタリアでは
各地に中国人街やアラブ人街が形成された。
それらの地域の公立学校では
イタリア人と移民の子どもたちの数が逆転するクラスもではじめる。
クラスの過半数が移民という状況に
「幼い頃から多様な世界に触れるチャンス」
と歓迎する親がいる一方で
「イタリア人としての国語力への影響が心配」
という親たちも。
外国人とその文化に親しんでもらおうと
苦心する学校の様子が
ひとりの旅役者の少年を軸に綴られる。
「オレンジ」で描かれるのは
南米から養子をむかえた夫婦の話。
ここでは国や人種の違いをのりこえた
子どもたちの友情が綴られる。
「紫」「オレンジ」では
移民や外国文化を前向きにうけいれようとする
イタリアの人々の姿が垣間見える。
その様相が変化するのが
終章でもある「虹🌈」だ。
パンデミック発生から2年あまり。
ようやく日本からイタリアにもどった
著者が直面したのは
かわりはてたヴェネツィアの姿。
治安が悪化し、
性的少数者や外国人、高齢者、
子ども、障がいをもつ人々といった
弱者を標的にした犯罪があとをたたない。
オーバーツーリズムの問題もくわわり
コミュニティが壊れる様子が描かれる。
「紫」「オレンジ」でみられたような
「自分たちと異なる人々」を
「包摂」する社会ではなく
「排除」する社会が綴られる。
もちろん
これは著者の目に映った
イタリア社会の一部であり
これがすべてとはいいきれない。
しかし、地域にみられる変化は
社会を映し出す鏡であることもまた否定できないだろう🤔
欧州の移民問題を目にするたび
著者が紹介したエピソードを思い起こさずにはいられない。
考えさせられた一冊でした📘
ありがとうございました🌹
お読みくださってありがとう。
九州からたくさんの愛と感謝をおくります💕
cheese