おはようございます😃
チアーズリアルエステートの
波多万行(はたかずゆき)のブログです。
まさかの首里城焼失😰
正殿と北殿が全焼したという
朝のニュースは衝撃でした。
世界遺産にも登録されている
貴重な遺産が、一晩で無くなるなんて
沖縄の方々にとってみると
本当にやりきれない気持ちで
一杯だと思います。
我が家の子供たちも、まだ一度も
連れて行ってあげたことがないので
もう見れないかと思うと
とても残念です😰
【以前のブログはこちらから】
さて今日のブログは
昨日のブログの続きで、
事例 その2 を紹介します。
不謹慎ですが、
火事に関わる内容です。
もう少しだけお付き合いください😅
▼事例 その2
買主は、仲介業者の媒介により
売主から築後27年の中古住宅を購入した。
ところが、約9年前に
1階キッキンで天ぷら鍋から出火し、
蛍光灯カバーや換気扇、窓ガラスを破損し
換気扇下部の建物本体を構成する
横木の一部を炭化させる程度の
焼損があったことが判明した。
ただし、消防車は出動したが
自分で消し止めることができたので
消防活動による冠水はなかった。
売主は、
見えるところの部分は修理、交換したが、
横木はそのままにしていた。
この事実は、売買契約時に
売主からの告知もなく、また
仲介業者も知らなかったので
当然、説明もなかった。
このため買主は
売主に対しては瑕疵担保責任に基づき、
また、仲介業者に対しては
火災による損傷を調査せず、
告知しなかったという
調査説明義務違反を理由として
損害賠償を請求した。
▼判決
建物の隠れたる瑕疵を認め、
また仲介業者は債務不履行責任があるとして
売主と仲介業者は連帯して
60万円の損害賠償を支払うことを命じた。
▼理由
売買の目的建物が火災に遭い
これによる損傷を受けているということは
通常の経年劣化ではなく、
焼損の程度が無視できないようなものなら
瑕疵に当たる。
建物の物理的強度を
低下させたとは言えず、
建物の耐久性や安全性に影響はないが
規模は小さくても火事があったことは
買い手の購買を減退させ
物件の交換価値を低下させている。
仲介業者もまた
自ら通常の注意を尽くせば、
物件の外観(建物内部を含む)から
認識できる範囲で瑕疵を発見できたはずで、
また、売主に問いただせば
火災の事実をわかったはずなのに
これを怠った債務不履行責任がある。
▼この事例から学ぶこと
仲介業者は、売主の作成した
物件状況報告書を、単に
買主に伝えるだけでなく、
記載内容が事実かどうかについて
調査義務があるとしている。
今回の火事の履歴も、
物件を注意深く観察すれは
発見し得ることが出来たことなので、
売主からの告知事項をただ説明するだけでなく
自分の目でも観察、調査すること
という判決の紹介でした。
この判決についても
仲介業者としては
ちょっと待ってよー😰と
物言いを付けたいところです。
売主さんからの報告を鵜呑みにせずに
問いただせ、物件で現場を確認しろ、
だなんて、そんな無茶なこと
言わないでください!
売主さんが
知っていたのに告知しなかった
というものとは
話の内容が全然異なります。
古い中古住宅を売買の仲介をするのに
床下まで潜って調査する責任が
我々、仲介業者にあるのでしょうか?
目視だけでも、と言われても
床下に首を突っ込んだだけでは
絶対にわかりません。
判決とは
売主、買主、仲介業者の
それぞれの言い分があって、
客観的な判断が下されるのでしょうが
過去の判決が全てではないにしても
大きな判断基準にはなりそうで
これは売主や仲介業者にとっては
ものすごく不利な判決と判断するので
今回、紹介しました。
宅建業者は
日々、不動産売買や賃貸借契約を
仲介業者として、また時には
事業主として締結していますが、
万が一のトラブルになったときに
どのような判決が出て、
その結果から、どのようなことを
注意しなければならないのか、
判例を参考にして
今後の契約行為に活かそうと
いう理由でこうして勉強会をしています。
我々だって、
不動産の取引は真剣にしています。
あまり偏った
"消費者保護"の観点は
みんながギスギスして
(権利ばかりを主張する世界)
決して僕は好きではありません。
ありがとうございます。
波多万行
チアーズリアルエステート