涼しくなったさかい、
久しぶりに自転車を…
出してみると、さすがこちら製の自転車、
すでにパンク。
アパート内の工員部の方に聞いても、空気入れ (打気機:ダー・チー・ジー) はない、
仕方無しに、自転車屋さんへ、パンクした自転車を押して、
行ってみましてん。
朝の雑踏と、油条(揚げパン)とマントウとニラ饅頭と八角の香り漂う
上海の生活通りへ。
あったあった、自転車屋さん。
だるそうに座っているお兄さんに、
「タイヤ、直してくださいませんか?」
と聞くと、面倒くさそうに、
「これはウチの仕事じゃない。あそこにほら、おっさんが居るやろ。」
「おっさん?」
「そう、あの青いビニールシートの前にいるオジサンは、直してくれるから。」
と、背中を押されて店を追い出されてしまいましてん。
ビニールシートの前って、青空開業?
これが、オジサンの仕事場ですわ。
恐る恐る、
「ニイハオ~。自転車、直していただけませんか~?」
「ああ、どれどれ…」
こうして、様子を見てくださるオジサン。
「はい、できた。」
「シェ、謝謝!多少銭?(おいくらですか?)」
「2元」
「2元?(30円)」
「そう、2元」
「あ、じゃあ、2元。」
「あんた、日本人(サプニン:上海語)か?」
「そ、そうです。分かりますか?」
「見たらすぐ分かるよ。」
「いつもここでお仕事されているんですか?」
「ああ、いつもいるから、また何かあったら、いつでもおいで。」
そう言いながら、笑顔で親指立てて「OK」ポーズしてくれはりました。
昔、中国が自転車社会やったころは、
こんな路上の自転車修理は、需要ももっと多かったろうに…。
2元かぁ…。
一日何件仕事があるんやろか。
「日本人」と聞かれたことに、一瞬ギョッとしたけど、
斜陽産業のオジサンの生活が
なんか妙に気になったりして。
帰り道、ふと見上げると、
ちゃんと絞れていない洗濯物から
ポトポト水が滴ってました。
考え事しながら歩いたら、
あきませんね。