本日は第71回、【ソードの10】のカードについてお話します。
うつ伏せになった人物が、10本のソードで刺されている情景。
ソードの10のカードについては、一瞬で不穏な空気感を感じることができるカードとなっています。
この絵柄が嫌でウェイト版を避けている方もいるかもしれません。
確かに見た目にも意味的にも厳しいカードであることには間違いありません。
しかし、このカードがあるからこそ、タロットに深みがあると言いますか、タロットは綺麗事ではなく、世界の縮図のようなものだと言うことが出来るのではないでしょうか。
そういったことを念頭におきながら、ソードの10を見ていきます。
それでは本題に入ります。
まずは、現在の占い上に意味について見てみます。
ソードの10の占い上の意味は、『蓄積した問題。中傷。新しい洞察。降伏。最悪の状態から抜け出す。被害者意識。犠牲。極端な精神状態、しかし不安や悩みが誇張されている可能性もある。エゴを克服するために集中的に瞑想を行う。場合によっては宗教的権威を拒絶する。医療に関することでは、背中に関する問題。鍼灸。サポートカードがあれば、中毒。』などです。
最悪の状態のみならず、期待や自ら瞑想を行うなど、他の意味もあることが分かります。
しかし、ソードの10は、そもそも、やはり痛みや苦しみを表すものだったようです。
ウェイト版の作者、アーサー・エドワード・ウェイトさんは、このカードの解釈について、次のように説明しています。
『デザインが暗示する全てのこと。また、痛み、苦しみ、涙、悲しみ、荒廃を表します。これは特に暴力的な死を意味するカードではありません。』
いかがでしょうか。
死んではいないものの、死に匹敵するような痛みや苦しみ。そういったニュアンスです。
このウェイト版が発表されて100年ほどの間に、他のカードと同様、ソードの10にも様々な解釈が付け加えてこられました。
レイチェル・ポラックさんは「タロットの書」の中で次のように解説しています。
『このカードが意味しているのは死でも暴力でもありません。これは問題そのものというよりも、問題に対する反応を表しています。
10本のソードはヒステリーを示唆するものであり、また「私ほどの苦しみを味わったことのある人は誰もいない」とか「私の人生は終わった」といった青年期の悩みにありがちな態度を示しています。
ソードの9と対照的な点として、このカードでは遠くの方の空は晴れていて、黒い雲は太陽の光へと移行しています。ソードの5やソードの2と比べても水は穏やかです。
こうしたことからしても、状況は目に見えるほど悪くはないのです。』。
いかがでしょうか。
かなりマイルドな、ある意味忖度とも言えるようなニュアンスに変化していることが分かります。
一方、タロット解釈実践辞典で井上教子さんは、次のように説明しています。
『10本のソードが突き刺さっている死体が描かれています。「死」が象徴する、「最終段階」「破滅に至るような事態が起こるであろう」ことを示すカードです。
痛ましい事件・出来事、見るも無惨に打ちのめされることを物語っています。
実際に「人間・生けるものの死」を示して出るカードです。
「死神」が象徴する「変性、仕切り直し」という抽象概念ではなく、また「塔」が象徴する「意識改革」「ガラッと状況が変わる」ことに比べて、客観的にみても、実際にどん底まで落ちるような出来事があることになります。
血の流れる様子がないところから、身体が痛めつけられるわけではありませんが、やられっぱなし。ズタズタにされてしまいます。』
いかがでしょうか。
かなりハードな説明になっています。
もちろん、井上教子さんも、この後のセクションで、好転の兆しについて述べていますし、他にも個人を超えた集団、地域、環境、団体のことを示す可能性、そこからの戦争や災害などの惨事を表すこともある、といった解釈もされています。
レイチェル・ポラックさんと井上教子さんのどちらが正解かという話ではありません。
どちらも解釈としてありうるという話です。
私的には、ソードが知性や叡智、思考、判断のスートであること、10の数字の意味が良くも悪くも最終的に完成、完全な状態であること、から捉えると、自分の頭の中で考えすぎて、あるいは作戦、計略を繰り返すことによって、結果、このような痛みを受け入れなければならない状態に陥った、というニュアンスがあるのだろうと考えています。
引き寄せの法則ではありませんが、自らが招いた災い、のようなニュアンスです。
それに加えて、井上教子さんがおっしゃったような集団や地域の惨事といった解釈も取り入れているという感じです。
もちろん、好転の兆しも解釈として取り入れています。
男性性のスートであるワンドとソードの10がともに苦しみを表していることも興味深いところです。
いかがでしょうか。
ソードの10は悲惨な状況が描かれているからこそ、好転の兆しや「あとは上がるしかない」といったポジティブな側面に目を向けがちです。
しかし、それはあくまでも占い上でお客様を不安にさせないためのアプローチの仕方なだけであって、タロットリーダーとしては、これ以上ないくらいの痛みや苦しみといったものを、ちゃんと読むべきだと考えます。
タロットリーダーまでもが好転の兆しばかりに着目すると、それはもう「見たくないものは見ないようにする」「臭いものには蓋をする」といったふわスピと同じ土俵に立つことになってしまいます。
悩んでいるお客様に誠実に向き合うためには、タロットリーダーとしてソードの10の痛みや苦しみ、悲惨さにも向き合うことがタロット初心者卒業の鍵となります。
本日のレッスンは以上です。
ソードの10の状態が訪れることが予測される場合、あなたはどのような回避策をとりますか?
ぜひコメント欄でアウトプットしてみてください。
このようなことを普段から考えることで、タロットリーディングの瞬発力が変わっていきます。
これまでのレッスンの知識を使って、実際にどのようなリーディングができるか、あるいは自分の解釈が象徴から遠くなっていないか、などを確かめたい方は、オンラインサロンや講座で事例添削を行っています。
本気でタロットを学びたい方はチェックを忘れないようにしてください。
次は第72回、ペンタクルの10を見ていきます。