こんばんは、りんねです。
今日は、リュカ編のネタバレです。
ハル『ああ。市長からの依頼で、リュカが
オリエンテーションをするらしい』
朝食の席でハルさんと話していた私は、
目を瞬かせた。
ハル『今日の午後1時から、市議会で
行われるんだが…』
『リュカは、恋人の君に話していな
かったのか』
ステラ『はい…何も』
(今日は、夜にリュカの部屋へ行く約束
をしているけど、)
(そんなこと、ひとことも言ってなかったな)
ハル『俺は出席するつもりだから、良けれ
ば、 君も一緒に市議会に連れて行こう』
ステラ『いいんですか…?』
ハル『ああ。今日の公聴会は、一般市民に
向けて開かれるものだ。誰でも参加
出来る』
ステラ『それじゃ…ぜひ行ってみたいです』
私は大きくハルさんに頷く。
(公聴会、か…。リュカの普段の仕事と
ちょっと違うな)
(邪魔にならないように、こっそり見てる
だけならいいよね)
…………
そして、午後になり…ー
(すごく沢山の人が集まってる…)
市議会に設けられた公聴会に座り、
私は驚きながら周囲を見渡した。
ハル『新法案のオリエンテーションに、
これだけの人数が集まるのは、
珍しいな』
一緒に来ていたハルさんも、わずかに
目を見開いている。
ステラ『こんなに沢山の人が集まった理由
って、やっぱり…』
ハル『…ああ。君の想像通りだろう』
ハルさんが呟いた直後…
街の女性達『あっ…いらっしゃったわ!』
壇上に現れた人影を見て、公聴会から
一気に歓声があがった。
リュカ『皆さん、本日は市議会へご足労
いただき、ありがとうございます』
(リュカ……)
淀みなく挨拶をした後、リュカが、
新法案についての説明を始める。
(相変わらず、色んな人に人気だなぁ…)
もはや感心しながら、私はリュカの声に
じっと聞き入る。
リュカ『ー…では、まず、街路の整備に
関する現状のご説明から…』
良く通る声で話すリュカは、凛としていて、
見惚れそうになるけれど…
分かりやすく法案を説明される内に、
引きこまれるように、話に聞き入っていた。
ハル『……今日ばかりは、街の女性達も
静かだな』
苦笑を浮かべ、ハルさんが私に耳打ちする。
ステラ『そうですね…。リュカって、話を
するのが、すごく上手いんですね』
ハル『ああ。人集めだけの人材ではなく、
手助けを頼まれたんだろうな』
さっきまで沸き立っていた公聴会の人たちは、皆、真剣にリュカの話に耳を傾けている。
(なんだか、少し……リュカが遠く思える)
オリエンテーションを進めていくリュカは、
公聴席を見渡しながらも、
均等に会場に目を配っていて、私と視線を
合わせることもなかった。
(私がここに来てることにも、気づいて
なさそうだな)
邪魔にならないように、端の席に座った
ものの…少しだけ、寂しくなる。
(こういう場に立つリュカを見てると、
って、感じがする…)
ハル『……どうした、ステラ』
ステラ『あ…いえ、何でもありません』
ハルさんに心配そうに尋ねられ、
慌てて、首を小さく横に振る。
(いけない……これも仕事のひとつなのに、
何、考えてるんだろう、私)
…………
その夜ー
リュカ『ただいま』
ステラ『お帰りなさい、リュカ』
合鍵を使い部屋で待っていた私は、
帰ってきたリュカを出迎えた。
リュカ『……いいな、今の』
ステラ『え?』
にっこり笑って、リュカが私の顔を
覗きこむ。
リュカ『……もう一回、言って』
ステラ『ええっと……お帰り、なさい?』
リュカ『…ただいま、ステラ』
(わっ…)
蕩けるような笑顔で答え、リュカが
私を抱き上げ、くるりと回った。
ステラ『っ…どうしたの、リュカ』
リュカ『だって…仕事から帰って、
ステラに出迎えられるなんて、』
『嬉しくなって、当然だよ』
(もう…)
すとん、と床に降ろされた後、私は
思わず吹きだした。
ステラ『昼間と別人みたいだね、リュカ』
リュカ『え?』
ステラ『市議会で見た時は、仕事出来る
一流の紳士って、雰囲気だった
のに…』
『帰ってきた途端、こんな風に、
甘えるなんて』
リュカ『…仕事は、仕事だからね』
気恥ずかしそうに笑い、リュカが肩を
すくめて見せる。
リュカ『…ステラも聞きに来てくれて
たよね。ありがとう』
ステラ『…気づいてたの?』
(全然、目が合わなかったけど…)
リュカ『当然でしょ。ハルと並んで
座ってたよね』
『ハルに誘われたの?』
ステラ『うん…』
リュカ『…やっぱり。ハルが鈍いのは、
相変わらずだな』
ぽつりとそう漏らしたリュカは、なぜか、
困ったような顔をしている。
ステラ『…私がいること、気付いてないか
と思った』
リュカ『そんなことある訳ないよ』
(え…?)
リュカ『ステラなら、どんなに遠くに
いても、背中を向けてても…
俺は、気付くよ』
ステラ『っ…!』
照れくさそうに呟きながら、リュカが
私の髪に指を絡める。
ステラ『……その割には、私の方、
全然、見てないように見えたけど』
リュカ『……それは……』
『見ないようにしてたから、ね』
目元をわずかに染めて、リュカがすいっと
目を逸らす。
(見ないようにしてた…?)
ステラ『どうして…?』
リュカ『ー…見たら、顔、緩むから』
(えっ…)
リュカ『だから、あえてステラにはオリ
エンテーションのこと、話してなか
ったのに…ハルのヤツ』
(そうだったんだ…)
口元を手で覆いながら、リュカは
すっかり、照れてしまっている。
ステラ『あのオリエンテーションの最中に、
そんなこと、考えてたの?』
リュカ『…うん』
(すごく冷静に話してるように見えたのに…)
リュカ『…幻滅した?』
ステラ『っ…ううん、そんなことないよ』
『ただ……ちょっと、びっくりした』
頬が熱くて…リュカの照れがうつった
みたいだ。
リュカ『びっくりした、って…』
『ステラは俺のこと、まだ全然、
分かってないね』
ステラ『え…?』
首を傾げると、拗ねたようなリュカの
眼差しが、私をひたと見捉えた。
リュカ『俺が……どんだけ、ステラに心を
乱されてるか、』
『いい加減、覚えて』
(あ……っ)
切なげな囁きと同時に、リュカが私の身体
を抱き締めた。
リュカの唇が耳のふちに触れて、ぞくり、
と肌を震わせる。
リュカ『ー…ステラがいるって気付いた
途端、ちょっと、緊張した』
『それに…』
『ステラがいたから……我ながら、
いつもより紳士的に振る舞ったと
思う』
(っ……全然、気付かなかった)
言葉が耳に注がれる度、とくとくと、鼓動
が高鳴っていく。
ステラ『それでも……真面目に、仕事して
るように、見えたよ』
リュカ『それは、仕事は真面目にした
けど、』
『真面目でいるのも、ステラの前
だと大変なんだよ?』
腰に回されたリュカの腕に、そっと力が
こもり…
ステラ『ぁっ…』
熱くなった私の耳のふちを、リュカの唇が
くすぐった。
リュカ『ー…だけど、もう、真面目で
いなくてもいいよね』
ステラ『……んっ…』
今度は舌先で、リュカが耳の輪郭をたどる。
柔らかな感触が、火照りを煽って、
肩がぴくっと跳ねた。
リュカ『今夜は…不真面目になっていい?』
(っ……不真面目、って……)
艶やかな視線に射抜かれ、どきりと心臓が
跳びはねる。
ステラ『っ…あ、あの…ごはん、出来てる、
んだけど…』
眼差しだけで甘いめまいがして、誤魔化す
ように、話を逸らす。
けれど…ー
リュカ『ありがとう。でも…後が、いいな』
(え……)
リュカ『先に、こっちが…欲しい』
ステラ『っ…ん……』
唇が重なって……とろりとした舌が、
歯列をなぞる。
ステラ『んんっ……、は…あ…っ』
舌先が、焦がしながら愛撫を重ね、私の
意識を支配していく。
(リュ、カ……)
腰から崩れそうになって、リュカのシャツ
にすがると、
ちゅ…と音を立てて、唇が離れた。
リュカ『ー…俺を不真面目にしたのは、
ステラだよ』
ステラ『っ…』
ぷつ、とブラウスのボタンを外しながら、
リュカが囁く。
その声は、色香を帯びているのに、
どこか切なげで…キスと同じくらい、甘い。
リュカ『一緒に……乱れて?』
ステラ『あ、……ぁっ…』
胸元を唇で啄ばまれ…はしたない吐息が、
溢れだした。
(声、止められ、ない…)
言葉にならない声を上げ、リュカの首に
すがりつく。
すると、リュカの指先が、容赦なく脚を
滑り、敏感な箇所を探し当てた。
(っ…これ以上、されたら…)
ステラ『…! ゃっ…』
耐えがたいくらい弄ばれ、耐え切れずに、
首を横に振るけれど…
リュカ『……ダメ。もっと……ステラも
不真面目になって』
ステラ『っ……あ……ぁ…』
淡い触れ方で、リュカが、私の身体を、
溶かしていく。
(も、う…)
目元に涙がにじむけれど、引き返せない
くらい、身体が火照り…ー
ベットへ行く余裕もなく、ソファに運ばれ
…私はリュカに、乱されていった。
これでレディと野獣のストーリーは
全て書きました。
どれも甘いストーリーでした。
次のブログを楽しみにしていてください。
