すると私の身体を抱き留めていた政宗が、

急に笑い出した。

『……ハハッ』

A.怒鳴る

希『な……何がおかしいの?』

政宗が腕から逃れようともがくと、

それを制するようにきつく抱きしめられる。

政宗『……あんた意外と可愛いんだな』

希『なっ……』


B.呆然とする

希『え……な、何?』

(どうして笑われてるの?)

呆気にとられて、政宗の顔を見つめてしまう

政宗『まさかあんたがそんなこと言うとはな』


C.殴る

希『笑うなんて……本当に失礼な人ね』

私は政宗の頬を殴りつけようと、再び手を振り

上げた。

政宗『おい、何するんだよ』

政宗は慌てて私の手首を掴み、動きを

封じてしまう。


政宗『あんた……嫉妬してるんだろう?』

希『……!』

政宗の言葉に、一瞬で顔が熱くなった。

希『だ、誰が!』

政宗『あの女中には、あんたの部屋の

場所を聞いていただけなのに』

『それだけで、あんたが嫉妬してくれる

とは思わなかった』

希『嫉妬なんかしてない。手を離して!』

私がますます暴れると、政宗は私の身体

を壁に押しつける。

希『……っ』

間近で顔を見つめられ、その距離の

近さに息を飲んだ。


政宗『それにしても……まさかあんたが、

織田の姫だったとはな……』

片方の手を離した政宗は、その手で

私の頬を撫でる。

政宗『まあ、気づかなかったオレも迂闊だが』

希『……敵将の娘だと知って憎くなった

でしょう?』

私はうつむいて政宗の視線から逃れ、

口を開いた。押し出した声が僅かに震えて

しまう。

政宗『そんなはずないだろう』

政宗は逃さないというように私の顔に

手を添え、もう一度自分の方に向けさせた。

政宗『そんな軽い気持ちだと思っていたのか?』

希『……どうせ私に声をかけたのだって、

ただの気まぐれで…』

政宗『……本当にそう思ってるのか?』

希『……』

(気まぐれなんかじゃないって思いたい)

(でも……信じられない。信じるのが怖い……)

政宗『分からせてやるよ。オレの気持ちを……』

政宗の顔が近づいてくる。

強い力で押さえつけられ、私は逃れる

術もなく、彼の唇を受け入れた。

希『ん……ふっ……』


これまで交わしたどの口づけよりも、

激しく唇を合わさせる。

呼吸まで奪われそうなほど深く貪られて、

思わず政宗の腕にすがりついてしまう。

政宗『希……』

口づけながら名前を呼ばれ、私は胸の奥が

疼くのを覚えた。

(こんな口づけがあるなんて……)

政宗の唇が、絡みつく舌が、私を欲しいと

言っているように感じてしまう。

頭の芯が溶けてしまったように陶然として、

何も考えられなくなる。

政宗「……これで分かったか?」

名残惜しそうに私の唇を解放すると、

政宗は隻眼の瞳がうっすらと細めた。

私が答えられないでいると、政宗はそれを

否定と受け取ったらしく、

やや乱暴な手つきで私の肩を掴む。

政宗『それじゃあ、もっと分からせてやる』

希『あっ……!』

政宗の手が、着物の上から私の身体を撫でた。

布越しにもその感触が分かるくらい、荒々しく

触れられて、私は身を捩らせてしまう。

希『や、ぁ……」

政宗『肌が桜色に染まってるな……』

希『え……?』


政宗『ほら……こんなに』

希『あ……』

政宗の指先が私の首筋に触れ、ゆっくりと

撫で下ろしていく。

A.手を振り払う

希『や、やめて……』

着物合わせにかかった手を、私は振り払おうと

した。

けれどそれに気づいた政宗が私の手首を掴み、

壁に押しつける。

政宗『まだ抵抗するのか……いい加減、素直に

なれ』


B.首を振る

希『そ、そんなっ……』

力が抜けた身体では大した抵抗ができず、

私はただ首を振った。

政宗の手が私の襟元をなぞり、僅かに中に

もぐり込んで鎖骨に触れる。

政宗『中はもっと熱そうだな』


C.受け入れる

私は何もできず、黙って目を閉じた。

そうするといっそう、政宗の手の動きを

感じてしまう。

希『ん……っ』

政宗『フッ……素直だな。それでいい』


もう片方の手が、私の下肢(かし)に伸びた。

裾を割り、脚に直接触れる。

希『あ……!』

その瞬間、脳裏に先ほど見た光景が浮かんだ。

希『……嫌!』

政宗『……っ』

女中の肩を抱き、優しい笑顔で語りかけ

ていた政宗。

希『……そんな手で触らないで!』

私は政宗の身体を思い切り突き飛ばすと、

そのまま部屋を飛び出す。

政宗『希っ!』

背後から私の名を呼ぶ声を聞きながら、

私はそこから逃げ出した。


次回

『そんな見栄を張っても、すぐ嘘だと分かる』