自分の挑戦や決断に対する「引き止める言葉」とどう付き合うか | 【Cheer Coach】企業研修・ワークショップ・コーチ 齋藤稚亜子(ちあこ)

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多くの人は異動、転職、独立、起業、結婚、離婚など
人生の大切な決断や挑戦をするにあたり
身近にいる大切な人にそれを伝えます。

その時、相手がかけてくれる言葉には大きく2種類あると思います。
1. 背中を押す言葉
2. 引き止める言葉

自分が人生に必要な変化を起こそうと
意を決して決断・挑戦する際、
果たして1と2のどちらの言葉が欲しいのか。

20代の頃は、明らかに「1.背中を押す言葉」ばかりを求めていましたし、
「2.引き止める言葉」をくれる方にネガティブな感情を抱く事さえありました。

しかし30代になって独立し、
さらに研修やコーチングで客観的に他人の挑戦や決断に関わるにあたり、
「2.引き止める言葉」の大切さにもようやく気がつけるようになってきました。

私自身、これまでの人生の中で、
意を決して決断し、周りの大切な大人にそれを伝えた時、
「2.引き止める言葉」をもらったことが何度かあります。
不思議なことに、「1.背中を押す言葉」よりも、かなり鮮明に覚えています(笑)
その言葉を受け取った時の、私の本音の気持ちと共にご紹介します。

◇研修の仕事に憧れ、いつかやりたいと夢を語った時
 【もらった言葉】
「君にはムリだよ、そういう仕事はものすごい実績のある特別な人しかできないから」
【私の本音の気持ち】
20代の頃の私は、大変な負けず嫌いだったので…
「今に見てろ、絶対なってみせる」

◇2社目の会社を辞めて独立した時
【もらった言葉】
「今のあなただと、きっと仕事はないよ。時期尚早。今はやめた方がよいと思う」
【私の本音の気持ち】
30代になってからの私は、少し世の中を分かってきたので…
「心配してくださってありがたい、
でもどうにかするから大丈夫ですっ」

勇気を持って伝えた本人としては、
笑顔で「君なら大丈夫!」と応援して欲しいわけです。
が、その気持ちと反してかけられる「2.引き止める言葉」は、
かなり重くて痛いのが正直なところ…

とはいえ、この一見耳障りな「2.引き止める言葉」は、
自分を想う心配、愛情であり、
今後つまずくであろうポイントの指摘、アドバイスだと思います。
・失敗はさせたくない
・しっかり準備してから臨んでほしい
・ちゃんと現実を見てほしい

私の場合は、上記にプラスし、
「今に見てろ」という頑張る原動力になったので、
鼓舞する言葉であったとも言えます。

自分で考えて、決めて、何かしらの変化を起こす時、
「1.背中を押す言葉」をくれる人に側にいて欲しいのは当然です。

同時に、
「2.引き止める言葉」をくれる人を遠ざけたり、
伝える事を避けることなく、
ありがたい存在として、
自ら歩み寄れるといいな、と思います。
自分の決断を冷静に見直し、
見て見ぬフリをしてきたリスクなどを指摘してくれる存在として。

ただ「2.引き止める言葉」と上手に付き合い、前向きな力に変えていくためには自分にも努力が必要です。
自らの決断や挑戦を理解し、応援してもらうための、
考える力と伝える力。
そして、引き止められてもめげない情熱。

企業研修やコーチングの場面で、
周りからの「引き止める言葉」を言い訳に行動に移せない、
あるいは諦めてしまう人がいて、
とてももったいないと感じます。

「引き止める言葉」の裏側にある
相手の気持ちに目を向け、
まずは感謝すること。
相手に納得・応援してもらえるよう「伝える力」を磨いていけると良いと感じます。
また、そのお手伝いができたら嬉しいです。

私が言葉をかける立場であれば……
かなりしつこく質問(なぜ? 具体的には?)した上で、
最終的に納得できたら背中を押す、かな。
相手を思えばこそ。