<ヘイトスピーチ>子どもの心の深い傷「差別許さない」判決
京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)を運営する京都朝鮮学園がヘイトスピーチで名誉を傷付けられたとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と会員らに計3000万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が8日、大阪高裁であった。森宏司裁判長は「在日朝鮮人を嫌悪・蔑視する発言は下品かつ低俗で、強い違法性が認められる」と述べ、在特会と会員ら8人に計約1220万円の支払いなどを命じた1審判決を支持、在特会側の控訴を棄却した。在特会側は上告する方針。
午前11時過ぎ、大阪高裁の202号法廷。判決が言い渡されると、約90人で埋まった傍聴席から拍手が湧き起こった。朝鮮学校の関係者はガッツポーズし、「よし」と言って喜んだ。
「子どもたちの静かな日常を奪われた怒りを分かってほしい」。長女が京都朝鮮第一初級学校5年生だった朴貞任(パク・チョンイム)さん(46)はこの日、ヘイトスピーチへの厳しい司法判断を期待して裁判所に足を運んだ。
2009年12月4日のことだった。在特会の会員らが学校前に姿を見せた。拡声機を使って怒声を浴びせる街宣活動は1時間近く続いた。「怖い」「学校に行きたくない」。学校にいた子どもの心に深い傷が残った。
我が子の笑顔を取り戻そうと、保護者たちは登下校時に見守ったり、校内行事などを通じて励ましたりしたが、傷は今も癒えていないという。判決後、朴さんは「自分たちの主張が全て受け入れられて、今はほっとしている」と目を潤ませた。
在特会による街宣の際、子ども3人の保護者で現場に駆け付けた龍谷大法科大学院教授の金尚均(キム・サンギュン)さん(47)は、がなり立てるような怒号が今も耳から離れない。「今回の出来事が日本人と在日朝鮮人が共にどう生きていくのか、語り合うきっかけになれば」と話した。
閉廷後、大阪市内で記者会見した原告の京都朝鮮学園(京都市)、孫智正(ソン・チジョン)理事長(57)は「在日コリアンに対する差別や偏見に影響されることなく、正義を貫徹した裁判官に感謝と敬意の念を伝えたい。今回の判決が、差別を許さないという日本社会の動きを後押しすることを期待する」と語った。
弁護団の冨増四季(とみます・しき)弁護士(京都弁護士会)は「日本での朝鮮学校の民族教育についても法的保護の対象であると認定しており、1審判決より踏み込んだ判断となっている」と評価した。
◇在日特権を許さない市民の会
2006年12月設立。在日韓国・朝鮮人の特別永住資格などを「在日特権」と呼んで廃止すべきだと主張、街宣活動の動画をネットに投稿している。ホームページによると、全国35カ所に支部があり、会員は約1万4500人。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140708-00000050-mai-soci
在特会に二審も賠償命令=朝鮮学校への街宣禁止-ヘイトスピーチ訴訟で・大阪高裁
京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)を運営する京都朝鮮学園がヘイトスピーチで名誉を傷付けられたとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と会員らに計3000万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が8日、大阪高裁であった。森宏司裁判長は「在日朝鮮人を嫌悪・蔑視する発言は下品かつ低俗で、強い違法性が認められる」と述べ、在特会と会員ら8人に計約1220万円の支払いなどを命じた1審判決を支持、在特会側の控訴を棄却した。在特会側は上告する方針。
午前11時過ぎ、大阪高裁の202号法廷。判決が言い渡されると、約90人で埋まった傍聴席から拍手が湧き起こった。朝鮮学校の関係者はガッツポーズし、「よし」と言って喜んだ。
「子どもたちの静かな日常を奪われた怒りを分かってほしい」。長女が京都朝鮮第一初級学校5年生だった朴貞任(パク・チョンイム)さん(46)はこの日、ヘイトスピーチへの厳しい司法判断を期待して裁判所に足を運んだ。
2009年12月4日のことだった。在特会の会員らが学校前に姿を見せた。拡声機を使って怒声を浴びせる街宣活動は1時間近く続いた。「怖い」「学校に行きたくない」。学校にいた子どもの心に深い傷が残った。
我が子の笑顔を取り戻そうと、保護者たちは登下校時に見守ったり、校内行事などを通じて励ましたりしたが、傷は今も癒えていないという。判決後、朴さんは「自分たちの主張が全て受け入れられて、今はほっとしている」と目を潤ませた。
在特会による街宣の際、子ども3人の保護者で現場に駆け付けた龍谷大法科大学院教授の金尚均(キム・サンギュン)さん(47)は、がなり立てるような怒号が今も耳から離れない。「今回の出来事が日本人と在日朝鮮人が共にどう生きていくのか、語り合うきっかけになれば」と話した。
閉廷後、大阪市内で記者会見した原告の京都朝鮮学園(京都市)、孫智正(ソン・チジョン)理事長(57)は「在日コリアンに対する差別や偏見に影響されることなく、正義を貫徹した裁判官に感謝と敬意の念を伝えたい。今回の判決が、差別を許さないという日本社会の動きを後押しすることを期待する」と語った。
弁護団の冨増四季(とみます・しき)弁護士(京都弁護士会)は「日本での朝鮮学校の民族教育についても法的保護の対象であると認定しており、1審判決より踏み込んだ判断となっている」と評価した。
◇在日特権を許さない市民の会
2006年12月設立。在日韓国・朝鮮人の特別永住資格などを「在日特権」と呼んで廃止すべきだと主張、街宣活動の動画をネットに投稿している。ホームページによると、全国35カ所に支部があり、会員は約1万4500人。
朝鮮学校周辺での街頭宣伝活動で授業を妨害されたとして、学校を運営する京都朝鮮学園が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と会員ら9人に街宣活動の禁止と損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が8日、大阪高裁であった。森宏司裁判長は、学校の半径200メートル以内の街宣禁止と約1226万円の支払いを命じた一審京都地裁判決を支持し、在特会側の控訴を棄却した。
人種や国籍などで差別するヘイトスピーチ(憎悪表現)に対する高裁の判決は初めて。在特会側は最高裁に上告する方針。
森裁判長は、在特会の街宣や、その様子をインターネット上で映像公開したことについて「在日朝鮮人をわが国の社会から排斥すべきと公開の場で主張し、映像を拡散させて被害の再生産を可能とした」と批判し、「社会的な偏見や差別意識を増幅させる悪質な行為」と述べた。
また、朝鮮学校の被害に関し「民族教育を軸に据えた学校教育の場として形成された社会的評価が低下させられ、教職員らの心労や負担も大きかった」と指摘。学校の移転先での街宣禁止についても、「在日朝鮮人の人格を否定し、差別意識を世間に訴えることに(街宣の)主眼がある。新校舎周辺でも不法行為の恐れがないとは言えない」として認めた。(2014/07/08-13:14)