彼をはじめて見たのは、真冬の午後、弱い日差しが差し込むオフィスの中

上司に連れられ、眼鏡を直しながら、私達の前で後ろ手を組み微笑んでいた。

あの時 私は、食べかけのアイスクリームを背中に隠し、上司が彼を紹介する間

そのことばかり心配していたが、知らないうちに、彼の優しい笑顔に、目が離せなくなっていた。

彼も、口角を上げた笑顔のまま、私の眼を見ると、しばらく眼鏡の奥から見守った。

それが、はじまり。