「納得がいかなかったんだ…まあいずれ、人生なんて、納得ずくで行くものじゃないだろうが…しかし、あの生活や、この生活があって、向こうの方が、ちょっぴりましに見えたりする…このまま暮らしていって、それでどうなるんだと思うのが、一番たまらないんだな…どの生活だろうと、そんなこと、分りっこないに決っているんだけどね…まあ、すこしでも、気をまぎらわせてくれるものの多い方が、なんとなく、いいような気がしてしまうんだ…」

砂の女/安部公房

砂の中の生活、外の生活、どこであろうと生きていくための何か心の拠り所「なぐさみもの」が必要だ。それがあれば案外どんな環境でも順応して生きていけるのかもしれない。