今となっては最後の、VTRでのツーリングを終えて
7月の半ば頃だったろうか?
【SSへ】
何がきっかけだっただろうか?
VTRに限界を感じた訳でもないし、というか、公道をメインとする素人に限界なんてもんが
そう簡単に感じられるものではないと思う。
タイヤも新品に交換したばっかりだったし、まだまだVTRには乗るつもりで居た。
周りがSSへ次々と乗り継いでいくっていう、SS選択への状況も後押しした要因ではあると思う。
VTRなら、ある程度どんな道でもそれなりに走れる自信もあった。
限界という言葉を使うならば、憧れを閉じ込めておくのに限界が来たというのが正しい。
ついに動き出してしまった。
仕事中もR1のことで頭がいっぱいになった。
堪えきれずに、仕事帰りにバイク屋へ。
SRXを買ったバイク屋だ。
R1を探してほしいと喋ってしまった。
この店、ローンの金利がほかと比べて良心的。
そういう面でも購入を後押ししてくれる。
こだわりは2009年以降のクロスプレーンクランクシャフトを採用したモデル。
輸出仕様。
この年から国内仕様が出たために、2009年モデルは正規輸入がなく、平行輸入になる。
極端に中古市場の球数が少なかった。
でもこれ以外、欲しいと思えるものが無かった。
数日様子を窺って、また店に足を運んだ。
いいのが出たか聞いてみるが、オークションでもなかなか出ないらしかった。
もし、ネットで中古の良さそうなのあったら、業販してくれるか聞いてやるから、探してみろと言われた。
一応目処は付けてあったので、そのページを教える。
あとで聞いてくれることになって、その日は帰宅した。
数日後、仕事中に店主から電話。
R1が見付かった。
おれが見つけていた所じゃなくて、別の所にあった、程度が物凄くいいやつらしい。
まず、在庫覚悟で仕入れるから、一回実車を見て決めてくれと言われた。
石巻にあったそのバイクは、後日店に到着。
すぐに連絡を貰って、実車を見に行った。
傷一つなく、キレイな車体。
走行距離も7000㌔。
文句なしで契約した。
納車整備と、登録関係を待ち、おれはバイクの保険を移す手続きを進めた。
ただ、車体番号は分かっても、ナンバーばっかりは登録されてからでないと分からないので
ナンバーが来たらすぐに連絡をもらうように店に頼んでおいた。
そして金曜日の昼頃、連絡が来た。
なんとナンバーはキリ番!
憧れのバイクにキリ番!
これはもう、一生もんだと運命を感じる。
その日の内に店まで引き取りに向かう。
SRXのときとは訳が違う。
ツナギにグローブ、ブーツにフルフェイス。
文字通りのフル装備で向かった。
担当した整備の人と会話。
「いやぁ、このエンジンいいとこ取りで凄いね!」
「頑張らなくてもどっからでも加速するし、普通に流しても付いてくる人は大変かもよ。」
憧れて、こだわって辿り着いたクロスプレーン。
求めていたものそのままの感想が、間違いなかったと思わせてくれる。
少し店先で暖機して、帰路に就く。
SRXのときと同じように、丁寧にクラッチを繋いで、その鼓動を感じるようにゆっくりと走り出す。
モードセレクトが付いていることは事前情報として知っていた。
STD、本気のA、町乗りのB。
右手のスイッチ一つで、エンジンマップを瞬時に選択できる。
FI化によって進化したバイクの姿だと思った。
ビビるおれは、間違いなくBモードを選択し
恐る恐る帰路を走る。
Bでも十分だった。
これまでのキャブ車からは想像できないほどリニアなスロットルレスポンス。
曲がりたがる車体。
全てが高次元でバランスし、走る事に特化している事を、ライダーに伝え
そして、それを求めてくる。
途中、やっぱり試してみたくなり、STDに切り替えた。
吹け上がりがますますシャープになる。
Aモード、吹け上がりはSTDに比べて、一瞬間をおく印象。
ただ、一旦回り始めると、それはまさにフルパワー。
素晴らしすぎる!
なんて、素敵なバイク!
そんな気持ちでうちに着いた。
出来るものなら、家の中に置いて、寝るときも枕元に置いておきたい位だった。
こうして憧れを手に入れた。

