こんにちは。銀座茶禅です。
今日は6月1日。
24節気の小満、72候の「末候 麦秋至(ばくしゅう いたる)」ですね。
今年はちょうど1か月前の5月1日が八十八夜でした。
「夏も近づく八十八夜〜♪」子どもの頃、歌遊びをした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
八十八夜とは、立春から数えて88日目のことで、だいたいこの頃にチャノキ(茶の木)の新芽を摘むのです。
八十八夜の頃には新芽が最も栄養豊富になることが明らかになっており、茶農家の方は昔から経験的に「八十八夜の頃に新芽を摘むと良いお茶が作れる」と知っていたものと思われます。
新芽は「新茶」として出回るので、お茶屋さんの店頭には新茶が並んでいることでしょう。普段飲んでいるお茶との味の違いを楽しめると思います。
茶道で使うのは抹茶ですが、緑茶や烏龍茶、紅茶も元は同じ「チャノキ」の葉です。
どうして同じ葉が全く異なる味になるのでしょうか。
以前新茶の季節にお茶園で茶摘みを体験させていただきました。
手摘みで丁寧に摘んだお茶のお味は格別です。
お茶は”発酵”の度合いで種類が分かれます。
茶葉を摘んでから置いておくと発酵が進みます。
その発酵度合いによってお茶の種類が変わります。
・不発酵・・・煎茶、お抹茶
・半発酵・・・烏龍茶
・発酵・・・紅茶
それぞれの特徴をご紹介していきます。
1. 不発酵茶 —煎茶や抹茶—
茶葉を摘んだあと、すぐに蒸気で熱処理をして発酵させないようにします。
茶葉は発酵が進むとどんどん緑色から茶色に変わっていくので、不発酵茶はきれいな緑色が保たれます。
「煎茶」
高級茶として有名な「玉露」はチャノキを日光に当てないよう覆いをして育て、不発酵茶として処理したものです。
「番茶」は晩夏に摘む、日光によく当たった茶葉の不発酵茶です。
「抹茶」
玉露と同様に日光を当てずに育て、茶葉を摘んだ後は一度乾燥させ、粉末状にすりつぶします。
煎茶や玉露、番茶は茶葉にお湯を入れ抽出して飲みますが、抹茶は茶葉そのものを飲むという点で他のお茶と異なります。
茶葉を飲むことで、より栄養素を摂取できると考えられています。
お抹茶の製法やその効能については過去のブログでご紹介していますので、こちらも是非お読みくださいね。
2. 半発酵茶 —烏龍茶—
茶葉を摘んだあと、茶葉を萎れさせ、しばらく発酵させます。その後蒸気で熱処理をして発酵を止めます。
烏龍茶は中国や台湾が産地で、ペットボトルの烏龍茶とは全く異なる風味豊かな烏龍茶を味わうことができます。
3. 発酵茶 —紅茶—
茶葉を摘んだあと、茶葉を萎れさせ、発酵させます。茶摘後は同時に酸化反応が始まり、カテキンやペクチンといった茶葉の成分が酸化・発酵します。この酸化・発酵度合いによって紅茶の味、香り、風味が決まるので、酸化・発酵をどこまで進めるかが紅茶づくりのポイントとなります。
紅茶の主な産地はインドやスリランカで、生産量が世界一なのはインド、輸出量が世界一なのはスリランカとなっています。世界三大紅茶は、インドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキーモンだそうです。
最後に、
茶禅が懇意にしておりますお茶園さんの1つ、京都宇治の老舗茶園、「もりた園」さんをご紹介します。
お茶鑑定士として日本一に輝いたことが3度もあり、素晴らしい実力がおありになる園主、森田治秀さんがご教示してくださる、美味しいお茶の淹れ方のページはとても勉強になりますよ。
お手軽にお買い求めいただけますので、是非ご覧ください。
いかがでしたでしょうか。
抹茶をはじめ、煎茶、烏龍茶、紅茶が全て同じ茶葉からできていることを知ると、
お茶の時間が更に楽しめるのではないでしょうか。
皆様もぜひいろいろなお茶を試して楽しんでみてください。