9・18有明雑感 | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
中津の生渇きの臭い人はお断り。

Amazon primeで追っかけ鑑賞。

当初は実力差が離れた組み合わせが多い印象なので安っぽいKO祭りになったら嫌だなあと思ってたのですが、いわゆるB-SIDEの方々が凄く頑張ってくれたのでアップセットこそなかったものの、好試合が多くて盛り上がった興行になりました。

オラスクアガvsマグラモは前回の寺地戦で評価を上げたオラスクアガがA-SIDEに回っての試合。真っ向の打ち合い、削りあいで泥臭い展開に持ち込まれながらもオラスクアガが打ち勝ったという印象。今後、他の日本人と対戦したときにどうなるかだな。

 

中谷潤人vsアルヒ・コルテス。

中谷の動きに何となくキレが感じられない。減量の影響もあるかも知れないが、前戦のモロニー戦が鮮やかなフィニッシュだっただけにその残像が無意識に残ってたのか、強引なところも目立つ。

それでも1度目のダウンを奪ったボディは見事だった。

コルテスはガードが堅く、的も小さいのでガードの隙間からよくパンチをコネクトしてたが、思ってた以上にタフなのもあって何度もダウン奪ってもKOまでには結びつけられなかった。

巷では井岡戦を望む人もいるけど、自分はあまり・・・

むしろ海外で外人相手の方が中谷の持ち味が生かせそうな気もする。

 

那須川天心vsルイス・グスマン。

1戦目と比べるとボクサーらしくなってきた天心。それで今までの動きとか持ってるものがスポイルされてるかというとそうでも無く、いろんな意味で進化してるのが伝わってくる。

1度目のダウンを奪った左のカウンターは見事。

重心が落ちていてよりパンチにスピードとキレが増してる様に見える。近い距離で打ち合うシーンも多いので見た目の被弾も増えたが、そんなに決定的なものももらわないし、打ち合い時の集中力は半端ない。ちょっと一息入れたり、パフォーマンスするときはちゃんと安全圏で行ってるしね。

2度目、3度目のダウン(スリップ)は力づくで強引に押し倒す感じだったけど、変にKOに拘らない方がいい様に思う。

長谷川穂積も柳明佑もキャリア前半はKO勝利がほとんど無かったし、今はリングで戦ってる時間が長い方がいいのではないかな。

代役のグスマン、単なるカマセの役割に甘んじる事なく戦意が最後まで途切れずに良かった。

 

寺地拳四朗vsヘッキー・ブドラー

矢吹2以降は勝つだけでなく、KOすることも意識してファイター化した寺地の試合は毎回外れが無くて面白い。

一部では被弾が増えた事に不安を覚える方もいますが、以前の跳ね回る様なステップの左だけでは止められないケースも出てきた以上はこのスタイルが最適解の気がする。

ガードが堅く、忙しなく脚も動き、スィッチも織り交ぜる等、やりにくい事このうえないスタイルのブドラーを普通に攻略してしまったのはさすがと言いますか。5Rのバッティングにヒヤリとはしたものの、判定かな・・・という雰囲気が出かけたところでキッチリと仕留めたのは見事。天心目当ての新規ファンの何割かの心は捉えたと思います。多分(笑)

 

3階のスタンドを封鎖するなど、生観戦したからは観客動員に不安がありますが、試合内容は予想を上回るものでした。

あとはamazon の放送環境の問題か、映像が乱れたり、実況が飛んだりとかは早急に改善して欲しいですねえ。