クロフォードはレナードを超えたのか。 | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

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テレンス・クロフォードがショーン・ポーターを10RにTKOで下しました。

現役PFPのトップに推挙されながらも長らくビッグマッチに恵まれない点やスィッチ・ヒッターであることなどからマービン・ハグラーと比較されることもありますが、ウェルター級という階級であることや、ポーター曰く「彼は何でも出来る。」というオールラウンダーぶりから、個人的には比較対象になるのはシュガー・レイ・レナードではないかと思います。

 

 

体格面で比較するとWIKI上では二人のリーチは188cmで同じ。

(ちなみにハーンズのリーチは203cm)

身長は意外にもレナードが178cmで173cmのクロフォードよりも5cm高い。それでもクロフォードの方が懐が深く感じるのはスタイルの差か。

接近戦も出来るが、どちらかというと懐を深く取ってカウンターを放つスタイルのクロフォードは堅実といえるが、相手の出方によってはやや面白味を欠く展開になることもある。

対してレナードはそのスタイルに定型を持たない。

相手の出方に合わせて、インでもアウトでも対応していく。そして高速連打と柔軟なボディワークを駆使しての打ち合いを紙一重で制していく。

時にはデュランとの1戦目みたいに相手に合わせ過ぎて判定を落したり、ハワード戦みたいに不覚のダウンを喫することもあるが、その試合スタイルはエキサイティングだ。だからハーンズ1みたいに傑作を創りあげることもある。

ただ、加齢やブランクなどによる影響を受けやすいのもレナードのスタイルの方だろう。ラロンデやハーンズとの再戦でダウンを奪われたりもしたし、デュラン3は退屈なラバーマッチに堕してしまった。

 

 

それでもレナードの方の印象が良いのはライバルに恵まれてたからだろう。ハーンズ、デュラン、ベニテス。ミドル級にあげてハグラーと常に対比される相手がいたからこそビッグマッチに事欠かなかった。

対してクロフォードはどうだろうか。

パッキャオは引退、サーマンは怪我でセミ・リタイア状態、ダニー・ガルシアは強打が湿ってパッとしない。マイキー・ガルシアもとても適正階級と思えないパフォーマンスで星を落としてる。

バージル・オルティスやシャロン・デニスが上がってくるのはもう少し待たねばならない。そうなるとあとはエロール・スペンスJRだが、眼疾の治り具合はどうなのか。

年齢的にも決して若くないクロフォード。レナードの様に後世に語り継がれる様になるにはビッグマッチの実現は不可欠なので誰か、やってくれまいか。