追悼・沢村忠 | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
中津の生渇きの臭い人はお断り。

キックの鬼、沢村忠氏がお亡くなりになられました。

現役引退後、一時期はマスコミとの接触を完全に断ってたことがあり、死亡説が多く流れたこともあったので今回もエイプリルフールであれば・・・と一瞬思ったのですけどね。

故人のご冥福をお祈りします。

 

 

沢村の偉大さをボクシング・ファンに伝えるのはちょっと難しいかもしれない。現在、現役でファンである方々がボクシングを好きになったときは既に競技として確立されてたはずである。

ただ、歴史が長いため、ボクシング・オンリーのファンは他の新興競技のファンの様に産みの苦しみを分かち合うことが出来ない。例えば、MMAであったり、シュートボクシングであったり。また、ちょっと上の世代であれば極真に代表されるフルコンタクト空手の創始を観てきた方もいるだろう。

そしてキックボクシング。資料や記録が体系化されてないのでその歴史を調べるのは雲を掴む様な作業だろう。ましてビデオが普及してない昭和30~40年代なら尚更。

そんな時代でも沢村忠の名前は後世にまで大きく伝わる。

いろんな功罪あるかもしれないが、沢村が身体を張り、広告塔になったからこそ、離合集散を繰り返しながらもキックボクシングはとにかく半世紀に渡って生き残ってきた。

沢村の試合についてはいろんな見方があるし、自分はたまにキック観る程度の浅いファンなのでここでは語らない。

ただ、本当に大変だっただろうなと思うのは図らずもジャンルを背負い、道を切り開く役割を担ったことだろう。世間への人気とともに身内からのやっかみや誹謗中傷もあっただろうが、それでも立場を投げだす事なく、役割を全うしたことをもっと正当に評価すべきだろうとは思う。

 

 

願わくば、他の選手と同じ様に戦いたい選手と戦い、やりたいことをやれる立場の沢村も観たかった。

本当にやりたいことは俳優だったのかもしれないけど。

ご冥福をお祈りします。